看護師の過去問
第111回
午後 問64

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問題

看護師国家試験 第111回 午後 問64 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤(placenta previa)のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。
手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
  • 浣腸を行う。
  • 夕食が禁食となっているか確認する。
  • 輸血の準備ができているか確認する。
  • 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

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この過去問の解説 (3件)

01

前置胎盤とは、胎盤が子宮の出口である内子宮口を覆っている状態のことです。

出口がふさがって赤ちゃんが出られないため、帝王切開での分娩となります。

選択肢1. 浣腸を行う。

×:誤り

浣腸の刺激で出血するリスクがあるため、前置胎盤の場合には浣腸はしません。

選択肢2. 夕食が禁食となっているか確認する。

×:誤り

Aさんの帝王切開術は翌朝10時のため、術前日の夕食は通常通り摂取します。

選択肢3. 輸血の準備ができているか確認する。

○:正しい

前置胎盤の帝王切開術は、出血が多くなる傾向があります

そのため、輸血用の準備を行うことが重要であり、妊娠中に自己血を貯血する場合もあります。

選択肢4. 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

×:誤り

間欠的空気圧迫装置は、術後の深部静脈血栓症の予防として、術後の床上安静時に装着します。

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02

今回は「前置胎盤のため、予定手術での帝王切開術を受ける患者の対応」に関する問題です。

前置胎盤とは、胎盤が正常よりも低い部位の子宮壁に付着して組織学的内子宮口を覆うか、その辺縁が同子宮口にかかる状態をいいます。

症状としては、外出血で妊娠中期から疼痛を伴わない少量の出血(警告出血)が誘因なく繰り返し発生し、妊娠末期に近づくほど多量となります。

そのため、低リスクの場合には妊娠37~38週で予定帝王切開が行われます。

選択肢1. 浣腸を行う。

前置胎盤では浣腸による刺激で出血をまねく危険性があるため、術前に浣腸の必要はありません。

また、その他の状態での帝王切開術でも浣腸を実施する施設は少なくなってきています。

よって、選択肢の記述は不正解です。

選択肢2. 夕食が禁食となっているか確認する。

帝王切開術は翌朝10時であるため、術前の夕食は通常摂取になります。

禁食は21時以降が禁飲食となります。

よって、選択肢の記述は不正解です。

選択肢3. 輸血の準備ができているか確認する。

前置胎盤では脱落膜の形成が不完全であるため帝王切開術では出血が多い傾向があります。

そのため、予定帝王切開術では術前日に輸血の準備をしておくことが大切です。

よって、選択肢の記述は正解です。

選択肢4. 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

帝王切開術後では深部静脈血栓症の予防目的のために、術後の床上安静期間中は下肢に間欠的空気圧迫装置(フットポンプ)を装着します。

よって、選択肢の記述は不正解です。

まとめ

今回の問題は今回は「前置胎盤のため、予定手術での帝王切開術を受ける患者の対応」に関する問題でした。

今回の問題を契機に「前置胎盤」や「手術時の看護」について学んでおくことをオススメします。

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03

正解はです。

 問題文から、緊急帝王切開ではなく日時を事前に決めている予定帝王切開であると判断できます。

 各選択肢については以下の通りです。

1 .浣腸を行う。→実施する施設と実施しない施設がありますが、実施する場合は手術当日の朝に行います。

2 .夕食が禁食となっているか確認する。→問題文からいつの夕食か判断できませんが、絶食期間は一般的に手術当日の0時以降絶飲食となり、術後1日目から飲水が可能となることが多いようです。そのため前日であれば夕食は摂取できますし、当日であれば朝食から禁食となっていることを確認します。

3 .輸血の準備ができているか確認する。

前置胎盤の場合、他の理由での帝王切開と比較しても出血リスクが高いため、輸血の準備は必須です。

4 .下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。→術後に血栓予防のため装着します。

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