看護師の過去問
第111回
午後 問107

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問題

看護師国家試験 第111回 午後 問107 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み以下の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。

産褥2日、Aさんは、体温37.2℃、脈拍76/分、血圧112/80mmHg、子宮底を臍下2横指に硬く触れ、悪露は赤褐色で少量。会陰縫合部の発赤なし、腫脹なし。下肢の浮腫は認めない。乳房緊満があり、左右の乳頭に2本ずつ乳管が開通しており、初乳がにじむ程度に分泌している。Aさんは、看護師に会陰縫合部が痛くて歩きにくいと話している。
Aさんのアセスメントで適切なのはどれか。
  • 会陰縫合部の感染を起こしている。
  • 乳房の変化は産褥日数相当である。
  • 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)の疑いがある。
  • 子宮復古が遅れている。

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この過去問の解説 (2件)

01

産褥の正常な経過を覚えておきましょう。

選択肢1. 会陰縫合部の感染を起こしている。

問題文の「体温37.2℃」「会陰縫合部の発赤なし、腫脹なし」から、感染兆候はありません。

「会陰縫合部が痛くて歩きにくい」ことは正常な経過です。

体温が37度台程度は産後の正常な経過です。38度が続く場合は産褥熱の可能性があります。

選択肢2. 乳房の変化は産褥日数相当である。

個人差はありますが、産褥2日ごろに乳房の緊満、乳管の開通初乳の分泌がみられるAさんの乳房の変化は日数相当と言えます。

選択肢3. 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)の疑いがある。

「下肢の浮腫は認めない」ことから深部静脈血栓症は考えにくいです。

妊娠中は、血液凝固能の亢進や増大した子宮による下大静脈・骨盤内静脈の圧迫・還流の停滞により深部静脈血栓症が起こりやすいです。帝王切開では安静臥床による血流の停滞、手術操作による静脈壁の損傷が加わるため、発症頻度が高くなります。

選択肢4. 子宮復古が遅れている。

産褥2日の子宮底の高さは臍下1~2横指に硬く触れます。硬く触れる理由は子宮筋線維の退行性変化と委縮によるものです。

「悪露は赤褐色で少量」も正常な経過を示しています。

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02

1 不正解

会陰縫合部の発赤・腫脹はないので、問題ありません。

2 正解

乳房の変化は、産褥日数相当で経過できています。

3 不正解

深部静脈血栓症の所見はみられないので、不適切です。

4 不正解

産後2日で子宮底を臍下2横指に触れているため、産褥日数相当です。

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