看護師の過去問
第112回
午前 問52
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問題
看護師国家試験 第112回 午前 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。
- 「術後2週から性交は可能です」
- 「定期的に排尿を試みてください」
- 「調理のときは手袋をしてください」
- 「退院当日から浴槽の湯に浸かることができます」
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この過去問の解説 (3件)
01
広汎子宮全摘出術は、子宮、卵管、卵巣、膣、子宮の周囲の組織を含めた広い範囲を摘出する手術です。がんがリンパ節転移している場合は、リンパ節郭清も行います。
広範囲を切除する術式のため、リンパ浮腫や排尿トラブルが起こるリスクがあります。
×:誤り
術後は出血や感染症のリスクがあるため、性交は術後1か月は控えるようにします。退院後のフォローアップ検診で、性交を再開して問題ないかを医師に確認します。
○:正しい
広汎子宮全摘出術では、子宮の周囲を広範囲に切除するため、膀胱の神経が傷ついたり機能障害を引き起こしたりすることがあります。
そのため、術後は尿意がなくても、定期的に排尿するようにします。
×:誤り
調理のときに手袋をするのは、乳房の摘出術後のリンパ浮腫により皮膚が傷ついて感染するのを防ぐためです。
広汎子宮全摘出術後に起こるのは、下肢のリンパ浮腫のため、調理の際に手袋は必要ありません。
×:誤り
広汎子宮全摘出術後は、感染のリスクがあるため、術後に浴槽の湯につかるのは避けます。
退院後のフォローアップ検診で医師に確認するまでは、シャワー浴にとどめておきます。
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02
広汎子宮全摘手術とは、子宮体癌などの子宮の疾患にかかった患者さんが卵管、卵巣、膣などを含めた広い範囲で子宮を摘出する手術です。通常は骨盤内のリンパ節郭清も行います。これを踏まえて必要な看護が何かを確認していきましょう。
誤りです。性交が可能なのは術後1か月以上空けてからです。このことはパートナーにも説明する必要があります。
正解です。子宮全摘手術によって膀胱や排尿に関する神経が損傷を受けるため、排尿が困難になりやすいため、排尿を試みることが大切です。
誤りです。子宮全摘手術を行うと下肢のリンパ節の流れに障害が起こるため、下肢の浮腫に注意が必要になりますが、上肢は特に影響を受けません。手袋をする必要があるのは、乳房の摘出手術など、上肢のリンパ節に影響を与える場合です。
誤りです。退院当日は感染が起こりやすいため、湯船にはつからないほうが望ましいです。
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03
この問題のポイントは、以下の通りです。
広汎子宮全摘出術とは子宮のみならず、子宮付近の血管やリンパ節なども含めて摘出する手術になります。そのことを踏まえて回答を確認していきましょう。
広汎子宮全摘出術後は、性行為に伴って出血や感染などのリスクがあります。医師の指示があるまでは性行為は控えましょう。
広汎子宮全摘出術ではリンパ節も切除するため排尿障害が起こりやすく、その確認のために定期的な排尿を促します。
手袋を着用する必要はありません。
外科的手術であり、出血や感染症のリスクがあります。そのためシャワー浴は可能でも入浴はすぐには行えません。
周手術期看護では、侵襲性の高い手術であるのか否かでも管理の仕方が変わります。外科手術をすべて覚える必要はありませんが、周手術期の看護介入のポイントや、侵襲性を踏まえて問題を解いていきましょう。
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