看護師の過去問
第112回
午前 問97

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問97 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(81歳、女性)は夫(86歳)と2人で暮らしている。高血圧症(hypertension)で内服治療をしているが、血圧のコントロールはできている。両眼に老人性白内障(senile cataract)があり、老人性難聴(presbyacusis)のために補聴器を使用している。認知機能は問題なく、日常生活動作<ADL>はほぼ自立している。1年前から両眼の羞明、霧視が強くなり、視力が低下して趣味の編み物ができなくなってきた。また、家の中を移動するときに小さな段差につまずいたりドアにぶつかるなど、歩行時の転倒の危険性が増えた。Aさんは自宅での生活を安全に送りたい、趣味を続けたいという希望があり、10日間程度の入院で両眼の超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行うことになった。

入院当日、病棟の看護師がAさんに対してパンフレットを用いて手術前オリエンテーションを行うことになった。
Aさんへのオリエンテーションの方法で適切なのはどれか。
  • 耳元で大きな声で説明する。
  • Aさんの身体に触れてから話しかける。
  • 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。
  • 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。

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この過去問の解説 (3件)

01

Aさんは老人性白内障と老人性難聴があるため、これらの症状や特徴を踏まえて関わることが大切です。

選択肢1. 耳元で大きな声で説明する。

×:不適切

 

老人性難聴では、音が大きく響いて聞こえるため、必要以上に大きな声で話すと余計に聞こえにくくなります

口元が見えるように正面から、ゆっくりはっきり話すことが望ましいです。

選択肢2. Aさんの身体に触れてから話しかける。

×:不適切

 

身体に触れて話しかける方法は、認知症の方には安心感をもたらしますが、Aさんは認知機能に問題がないため、適切なコミュニケーション方法とはいえません。

選択肢3. 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。

×:不適切

 

Aさんには老人性白内障の症状の一つである羞明が見られており、普通の明るさでも眩しく感じることがあります。窓際の明るい場所では、眩しさのためにパンフレットが読めない可能性があります。

選択肢4. 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。

○:適切

 

一般的には、背景と文字のコントラストが高い方が見やすくなるため、術後の注意点を赤色の太字で書くのは適切な対応といえます。

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02

この問題のポイントは以下の通りです。

『白内障の症状や特徴はなにか』

これを踏まえて問題を解いていきましょう。

選択肢1. 耳元で大きな声で説明する。

老人性難聴であるが補聴器を使用しており、耳元で大きな声で説明する必要があるとは考えられません。

口元をみせたり、はっきりとした発音で説明することが有用でしょう。

選択肢2. Aさんの身体に触れてから話しかける。

体に触れることで安心感を与えることもありますが、必ずしも適切とは限りません。

選択肢3. 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。

白内障の症状として羞明があります。適切とはいえません。

選択肢4. 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。

正解です。

暖色系の文字は加齢による視力の変化があってもみやすいといわれています。適切であると考えられます。

まとめ

白内障は高齢者に多くみられる疾患です。知識を整理しておきましょう。

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03

高齢者の看護では加齢による身体的な特徴を踏まえた関わりが必要です。

それぞれの回答を見ていきましょう。

選択肢1. 耳元で大きな声で説明する。

補聴器を使用し聞こえているのであれば

大きな声であることよりも、ゆっくりはっきり話すことが大切です。

選択肢2. Aさんの身体に触れてから話しかける。

コミュニケーションの方法のひとつとしては良いですが、

必ずしも必要ではありません。

選択肢3. 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。

設問患者には羞明があるため、

窓際は避け、まぶしくない環境が望ましいです。

選択肢4. 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。

鮮やかな赤などの暖色系は、

高齢者にも見やすいとされている色なので、

注意点を赤い太字で記載することは、適切な支援といえます。

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