看護師の過去問
第112回
午前 問100

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(75歳、男性)は妻(75歳)と2人暮らしで、15年前にParkinson<パーキンソン>病(Parkinson disease)と診断された。7年前よりレボドパ<L−dopa>を1日3回内服している。Hoehn & Yahr<ホーエン・ヤール>重症度分類のステージⅣで、要介護2である。妻は腰痛のため毎日リハビリテーション目的で通院中である。妻の介護負担を軽減するため、Aさんは毎月10日間、介護老人保健施設の短期入所<ショートステイ>を利用している。今回は妻の腰痛が増強したため、Aさんは予定を早めて入所した。Aさんは握力が低下しているが、スプーンを使用し自力で食事を摂取している。食事中に姿勢が崩れることが多く、むせや食べこぼしがある。

看護師のAさんへの食事援助で正しいのはどれか。
  • 頸部を後屈した体位にする。
  • 座位時の体幹を安定させる。
  • 食後に嚥下体操を実施する。
  • こぼさずに摂取できるよう全介助する。

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この過去問の解説 (3件)

01

パーキンソン病では、姿勢反射障害や嚥下障害によって誤嚥のリスクが高くなります。

そのため、誤嚥を予防するために食事援助を工夫する必要があります。

選択肢1. 頸部を後屈した体位にする。

×:誤り

 

頸部を後屈した体位は、誤嚥しやすい体位です。

食事の際は、軽度頸部を前屈にします。

選択肢2. 座位時の体幹を安定させる。

○:正しい

 

パーキンソン病が進行すると、姿勢反射障害があらわれ、姿勢を保持するのが難しくなります。

食事の際に体幹を安定させることは、誤嚥予防のためにも重要です。

選択肢3. 食後に嚥下体操を実施する。

×:誤り

 

嚥下体操は食前に行うことで効果が得られます。

嚥下体操により口を動かすことで、唾液の分泌が促されて飲み込みやすくなり、誤嚥予防につながります。

 

選択肢4. こぼさずに摂取できるよう全介助する。

×:誤り

 

Aさんはスプーンを使用して自力で食事を摂取できているため、全介助ではなく、Aさんが自力で食事ができるように援助します。

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02

この問題のポイントは以下の通りです。

『誤嚥リスクのある患者に対する食事介助方法とは』

これを踏まえて問題を解いていきましょう。

選択肢1. 頸部を後屈した体位にする。

頸部を後屈させると誤嚥のリスクが高まり、不適切です。

選択肢2. 座位時の体幹を安定させる。

正解です。

姿勢の保持が困難であるため、体幹の安定をさせることは適切です。

選択肢3. 食後に嚥下体操を実施する。

嚥下体操は食前にすることで効果があります。

選択肢4. こぼさずに摂取できるよう全介助する。

患者のできる機能を活かした援助が重要です。

また、自尊心を傷つけてしまう恐れもあるので注意しましょう。

まとめ

誤嚥性肺炎は死亡の要因の1つです。

誤嚥リスクを下げるための看護介入について知識を整理しておきましょう。

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03

患者の障害の程度に応じ、

必要な量を誤嚥せずに摂取できるよう援助することが大切です。

選択肢1. 頸部を後屈した体位にする。

頸部が後屈していると、

咽頭と気管が直線になり誤嚥しやすくなります。

誤嚥予防のため、頸部は軽度前屈にします。

選択肢2. 座位時の体幹を安定させる。

体幹を安定させることで、

上肢や頭頸部がリラックスした状態になり、

嚥下や咀嚼がスムーズになります。

選択肢3. 食後に嚥下体操を実施する。

嚥下体操は食前に行うことが効果的です。

選択肢4. こぼさずに摂取できるよう全介助する。

患者のできることまで介助することは、

患者の自尊心の低下につながります。

また、できることは自身で行うことで、廃用予防にもつながります。

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