看護師の過去問
第112回
午前 問104

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問104 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aちゃん(2歳、男児)は両親、兄(5歳)の4人家族である。3日前から発熱が続くため、母親と一緒に外来を受診した。診察の結果、川崎病(Kawasaki disease)と診断され、個室に入院となり左手背に点滴静脈内留置針が挿入された。入院中は母親が希望し、Aちゃんに付き添っている。Aちゃんにγ−グロブリン療法とアスピリンの内服が開始されることになった。看護師がγ−グロブリン療法の開始のために訪室すると、Aちゃんは不機嫌にぐずって泣いている。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

Aちゃんの入院中、母親は一度も自宅に帰らずに付き添いを続けている。入院3日の朝に看護師が訪室したところ、母親が「夫から電話があって、Aの入院後、兄がほとんど寝ずに大泣きしているらしく、私は心配です」と話している。
母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
  • 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。
  • Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。
  • 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。
  • 退院の可否を医師と相談すると伝える。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える」と「兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す」です。
川崎病で入院中のAちゃんの母親は、付き添いを続ける中で、家族(特に兄)への心配を抱えています。
看護師の対応としては、母親の心理的負担を軽減しつつ、家族全体の状況を考慮した支援を行うことが重要です。

 

選択肢1. 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。

川崎病は感染対策が重要であり、兄が外部からの感染源となる可能性があります。
特に免疫機能が一時的に低下している治療中のAちゃんにとって、病室内での面会はリスクが高い行為です。
感染対策を徹底する必要があるため、他の支援方法を検討するべきです。

 

選択肢2. Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。

母親の不安に寄り添わず、Aちゃんだけに集中するよう伝える対応は、母親の孤立感や心理的負担を増大させる可能性があります。
看護師としては、母親の不安に共感し、解決策を一緒に考える姿勢が求められます。

 

選択肢3. 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。

適切です。
母親が一度自宅に帰り、兄と過ごす時間を確保することは、兄の不安を軽減するために効果的です。
また、母親自身がリフレッシュする機会となり、付き添いを続ける上での負担軽減にもつながります。
母親が帰宅する際には、他の家族やスタッフと協力し、Aちゃんの見守り体制を整えることが重要です。

 

選択肢4. 退院の可否を医師と相談すると伝える。

母親の不安は兄の状況によるものであり、Aちゃんの退院を考慮する段階ではありません。
医療的な判断を行う前に、母親の不安を和らげるための具体的な支援が優先されます。

 

まとめ

母親と家族全体の精神的負担を軽減するため、柔軟な対応や支援体制を提供することが看護師の重要な役割です。

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02

小児疾患の看護においては、病児だけでなく、

その家族(特に兄弟姉妹)も環境変化が起こります。

家族も含めたケアが大切です。

選択肢1. 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。

小児科病棟では、易感染状態の患者が多くいることから、

子供の面会を制限することがあります。

Aちゃんと兄を面会させることは、

感染予防の観点から適切といえません。

選択肢2. Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。

母親は兄のことを心配している状態です。

この声掛けは母親の気持ちに寄り添っておらず、

適切であるとはいえません。

選択肢3. 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。

病児だけでなく、

母親や兄弟も安心して過ごせるように考えることは大切です。

この対応は適切であるといえます。

選択肢4. 退院の可否を医師と相談すると伝える。

設問患者は川崎病の治療が開始されたばかりです。

一般的に川崎病では数週間程入院が必要で、

Aちゃんの退院時期としては不適切です。

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03

この問題のポイントは、家族看護です。看護師は、患者さんだけでなく、患者さんを抱えるご家族の不安や、健康を維持するためのケアも必要となります。

各選択肢においては、以下のとおりです。

選択肢1. 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。

川崎病治療中のAちゃんにとって、兄弟児の面会は感染対策において適切といえないため、この選択肢は適切でないと考えられます。

選択肢2. Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。

どの患者さんにおいても、患者さんのケアだけではなく、その家族ケアについても重要視する必要があります。

患者さんをもつ家族の健康や精神的サポートはとても重要であり、この選択肢は適切でないと考えられます。

選択肢3. 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。

家族看護のために、母と兄が関わる時間を持てるようにすることは適切であり、そのために看護師をはじめとする医療者ができることを考え、サポートしていく必要があります。

よって、この選択肢は正解となります。

選択肢4. 退院の可否を医師と相談すると伝える。

入院3日の朝であり、Aちゃんにとっては急性期の段階であるため、病状を考えたときに退院の許可がでる可能性は限りなく低いと考えます。

よって、この選択肢は不適切です。

まとめ

小児の入院においては、家族看護も十分に行い、医療者と家族が協力しながら、最善の治療をすすめていくことが大切となります。

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