看護師の過去問
第112回
午前 問105

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問105 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aちゃん(2歳、男児)は両親、兄(5歳)の4人家族である。3日前から発熱が続くため、母親と一緒に外来を受診した。診察の結果、川崎病(Kawasaki disease)と診断され、個室に入院となり左手背に点滴静脈内留置針が挿入された。入院中は母親が希望し、Aちゃんに付き添っている。Aちゃんにγ−グロブリン療法とアスピリンの内服が開始されることになった。看護師がγ−グロブリン療法の開始のために訪室すると、Aちゃんは不機嫌にぐずって泣いている。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

入院4日、Aちゃんは解熱し活気が出てきた。翌日、看護師がAちゃんを観察すると、手指の先端から皮膚が膜のように薄くむけていた。
この所見に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
  • γ−グロブリン療法の副作用(有害事象)である。
  • 皮膚のツルゴールが低下している。
  • 川崎病(Kawasaki disease)の回復期の症状である。
  • 皮膚科の受診が必要である。

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この過去問の解説 (3件)

01

川崎病は、急性期、亜急性期、回復期の3つの時期に分けられ、それぞれ特徴的な症状が現れます。
手指の先端から皮膚が薄くむける症状は、亜急性期から回復期にかけてみられる典型的な所見です。
このような症状に対する適切なアセスメントが、経過の把握と適切なケアに繋がります。

 

選択肢1. γ−グロブリン療法の副作用(有害事象)である。

γ−グロブリン療法の副作用として、発熱、頭痛、アレルギー反応などが報告されていますが、皮膚の薄皮剥けは副作用には含まれません。
Aちゃんの症状は、川崎病そのものに関連した経過の一部であると考えられます。

 

選択肢2. 皮膚のツルゴールが低下している。

皮膚のツルゴールの低下は、脱水状態などで皮膚が弾力を失い、戻りが遅くなる状態を指します。
Aちゃんの皮膚が薄く剥けているのは、川崎病の回復期にみられる特徴的な症状であり、ツルゴールの低下とは関係がありません。

 

選択肢3. 川崎病(Kawasaki disease)の回復期の症状である。

正解です。
川崎病では、亜急性期から回復期にかけて、指先や足先から皮膚が薄く剥ける症状(膜様落屑)が現れます。
この症状は、急性期に起こった全身性の血管炎が収束に向かっていることを示すもので、特に治療の必要はありません。
ただし、患部が汚染されないよう清潔を保つケアが重要です。

 

選択肢4. 皮膚科の受診が必要である。

この所見は川崎病の経過として予測されるものであり、特別な皮膚科的治療や受診を要する状態ではありません。
看護師としては、症状が自然経過の一環であることを母親に説明し、適切なケアを行うことが求められます。

 

まとめ

Aちゃんの手指の先端から皮膚が薄くむける症状は、「川崎病の回復期の症状」であり、典型的な経過の一部です。
特別な治療は不要ですが、清潔を保つケアや家族への説明が必要です。
看護師は経過を適切にアセスメントし、母親の不安軽減に努めることが重要です。

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02

この問題のポイントは、川崎病の急性期・回復期の症状を理解しているかです。

川崎病では、回復期に指先からの膜様落屑があるとされています。

選択肢1. γ−グロブリン療法の副作用(有害事象)である。

膜様落屑はγ−グロブリン療法の副作用ではなく、

川崎病の回復期の症状です。

選択肢2. 皮膚のツルゴールが低下している。

ツルゴールとは、皮膚の張りのことであり、

脱水の評価時に使用されます。

設問患者に起きているのは、皮膚ツルゴールの低下ではなく、

川崎病の回復期の症状です。

選択肢3. 川崎病(Kawasaki disease)の回復期の症状である。

川崎病では、解熱する頃に

指先の爪と皮膚の境目から、薄く皮がむける膜様落屑が起こります。

川崎病の回復期の症状です。

選択肢4. 皮膚科の受診が必要である。

膜様落屑は川崎病の回復期のに起こる特有の症状であり、

皮膚科の受診は必要ありません。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは、川崎病の回復期における特徴的な症状です。

各選択肢については、以下のとおりです。

選択肢1. γ−グロブリン療法の副作用(有害事象)である。

γ‐グロブリン療法の副作用として、アナフィラキシー・ショック・肝障害・腎障害・血小板減少・血栓塞栓症・心不全の発症または悪化・細菌性髄膜炎などの症状を引き起こすことがあります。その他、発熱・発疹・頭痛・吐き気・かゆみといった症状を伴う場合もありますが、今回の問題の回答としては、不適切といえます。

選択肢2. 皮膚のツルゴールが低下している。

皮膚のツルゴール反応とは、皮膚の緊張状態や張りを評価するテストであり、主に脱水の評価に用います。

選択肢3. 川崎病(Kawasaki disease)の回復期の症状である。

川崎病急性期の特徴的な症状(高熱が5日以上続く・手足の先が腫れる・発疹・眼の充血・いちご舌・リンパ節の腫れ)が1~2週間で消えた後、回復期の特徴的な症状として、指先から皮膚がポロポロと剝けてきます

よって、正解です。

選択肢4. 皮膚科の受診が必要である。

川崎病回復期の特徴的な症状であり、自然経過で良くなるケースが多いため、基本的には受診は不要と考えられます。

まとめ

川崎病の急性期~回復期における症状は特徴的なものが多いため、よく出題される傾向にあります。覚えておきましょう。

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