看護師の過去問
第112回
午前 問111

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第112回 午前 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(34歳、初産婦)は妊娠39週6日に3,000gの女児を出産した。分娩後の母児の経過は順調である。
出生後12時間、看護師がAさんの児の観察を行った。児は活気がありバイタルサインは安定しており、排便が認められた。直接授乳を開始している。出生後の排尿回数は4回、排便回数は3回である。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

日齢4。看護師がAさんの児を観察したところ、バイタルサインは、体温(直腸温)37.3℃、呼吸数55/分、心拍数134/分。経皮ビリルビン20.0mg/dLであった。
Aさんの児の状態で医師に報告が必要なのはどれか。
  • 経皮ビリルビン値
  • 呼吸数
  • 心拍数
  • 体温

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

日齢4の新生児で経皮ビリルビン値が20.0mg/dLは高値であり、新生児黄疸の重症化が疑われます。
特に、重度の高ビリルビン血症は核黄疸(ビリルビン脳症)を引き起こす可能性があるため、速やかな医師への報告と対応が必要です。

 

選択肢1. 経皮ビリルビン値

正解です。
新生児の経皮ビリルビン値の正常範囲は、日齢や児の状態(早産児か正期産児かなど)によって異なりますが、日齢4の正期産児の場合、約12~15mg/dL以下です。

経皮ビリルビン値20.0mg/dLは新生児黄疸の重症基準を超える値です。
この値は、核黄疸のリスクが高まる水準であり、光線療法や交換輸血などの治療が検討されます。
早急に医師に報告し、対応を進める必要があります。

 

選択肢2. 呼吸数

新生児の正常な呼吸数は40~60回/分程度です。
Aさんの児の呼吸数は55回/分であり、正常範囲内に収まっています。
現時点で医師に報告する必要はありません。

 

選択肢3. 心拍数

新生児の正常な心拍数は120~160回/分程度です。
Aさんの児の心拍数は134回/分であり、正常範囲内です。
現時点で医師に報告する必要はありません。

 

選択肢4. 体温

新生児の正常体温は36.5~37.5℃程度です。
Aさんの児の直腸温は37.3℃であり、正常範囲内に収まっています。
現時点で医師に報告する必要はありません。

 

まとめ

Aさんの児の状態で医師に報告が必要なのは「経皮ビリルビン値」です。
新生児黄疸の重症化リスクが高いため、速やかに医師に報告し、治療の必要性を評価することが重要です。
その他のバイタルサイン(呼吸数、心拍数、体温)は正常範囲内であり、特に問題はありません。

参考になった数0

02

この問題で覚えておくべきポイントは、新生児のバイタルサインと生理的な変化です。

各選択肢については、以下のとおりです。

選択肢1. 経皮ビリルビン値

新生児黄疸(生理的黄疸)とは、生後間もない新生児の大半にみられる黄疸です。

およそ生後3~5日目をピークに治まっていきます。

新生児の経皮ビリルビン正常値上限は15~17mg/dlであり、Aさんの児の値は高いといえます。

選択肢2. 呼吸数

新生児呼吸数の正常値は、40~60回/分です。

異常はないといえます。

選択肢3. 心拍数

新生児心拍数の正常値は、120~160回/分です。

異常はないといえます。

選択肢4. 体温

新生児体温の正常値は、個人差はありますが36.5~37.5℃と大人より高い傾向にあります。

異常はないといえます。

まとめ

新生児のバイタルサインと生理的な変化について十分に理解し、覚えておきましょう。

参考になった数0

03

新生児のバイタルサインの基準値と、生理的特徴を問う問題です。

選択肢1. 経皮ビリルビン値

日齢、出生時体重で多少の違いはありますが、

新生児ビリルビン正常値上限は15~17mg/dlです。

児は20.0mg/dlであり、正常値から逸脱しているといえます。

選択肢2. 呼吸数

新生児の正常値は40~60回/分です。

異常所見はありません。

選択肢3. 心拍数

新生児の正常値は120~160回/分です。

異常所見はありません。

選択肢4. 体温

新生児の正常値は36.5~37.5℃です。

異常所見はありません。

まとめ

生理的黄疸は新生児の大半にみられる黄疸です。

通常、およそ生後4~5日目をピークに自然と治まっていくものですが、

高ビリルビン血症の場合には光線療法を始めることもあります。

参考になった数0