看護師 過去問
第112回
問150 (午後 問30)

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問題

看護師国家試験 第112回 問150(午後 問30) (訂正依頼・報告はこちら)

帯状疱疹(herpes zoster)について正しいのはどれか。
  • 運動神経麻痺は生じない。
  • 感染の既往として水痘(varicella)がある。
  • ウイルスは発症後1か月で消滅する。
  • 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、「感染の既往として水痘(varicella)がある」です。

帯状疱疹(herpes zoster)は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus, VZV)の再活性化によって発症します。

このウイルスは、水痘(varicella)の感染後、体内の神経節に潜伏し、免疫力の低下などが引き金となって再活性化することで帯状疱疹を引き起こします。

 

選択肢1. 運動神経麻痺は生じない。

帯状疱疹では、通常は感覚神経が主に影響を受け、痛みや知覚異常が出現しますが、運動神経が障害されることもあります

顔面神経が障害される場合、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)を引き起こすことがあります。

また、重症例では四肢の筋力低下や麻痺を伴うこともあります。

 

選択肢2. 感染の既往として水痘(varicella)がある。

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染の再活性化が原因です。

したがって、帯状疱疹の発症には、水痘(varicella)の既往が必要です。

水痘に感染したことがない人は、帯状疱疹を発症することはありません。

 

選択肢3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。

水痘帯状疱疹ウイルスは、帯状疱疹発症後も神経節に潜伏し続け、完全に消滅することはありません。

潜伏状態のウイルスは、生涯にわたり再活性化する可能性があり、再発を引き起こす場合もあります。

 

選択肢4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

帯状疱疹の原因ウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus, VZV)です。

単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus, HSV)は、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす別のウイルスです。

 

まとめ

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって発症します。

予防には、水痘帯状疱疹ウイルスに対するワクチンの接種が有効とされています。

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02

帯状疱疹は、ピリピリとした痛みと赤い斑点や水膨れが帯状に現れる、ウイルス感染症による皮膚疾患です。

選択肢1. 運動神経麻痺は生じない。

×:誤り

帯状疱疹では主に知覚神経が侵されますが、まれに炎症が高度の場合、運動神経麻痺が生じます。運動神経麻痺は上肢に多く、挙上ができなくなります。

選択肢2. 感染の既往として水痘(varicella)がある。

○:正しい

帯状疱疹は水痘にかかったことのある人なら誰でも発症し得る疾患です。

一般的には、水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染した場合は水痘を発症し、その後潜伏したウイルスが免疫力低下で再活性化すると、帯状疱疹があらわれます

選択肢3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。

×:誤り

水痘帯状疱疹ウイルスは死滅せず、神経節に潜伏しています。

選択肢4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

×:誤り

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染が原因です。

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03

帯状疱疹とは、水痘ウイルスが原因となる疾患です。

初めての感染は水ぼうそうとして発症しますが、

水ぼうそうが治っても、体内にウイルスは残存します。

免疫機能が弱くなった際にウイルスが再燃し、帯状疱疹を発症します。

選択肢1. 運動神経麻痺は生じない。

水痘ウイルスによる神経炎が脊髄神経前根に及ぶと、

運動麻痺筋委縮を生じることがあります。

とくに、頸部の帯状疱疹に伴って生じることが多いです。

選択肢2. 感染の既往として水痘(varicella)がある。

正解です。

選択肢3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。

治癒後もウイルスは体内に残存します。

選択肢4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

ヘルペスは大きく分けると2種類あります。

・単純ヘルペスウイルス

・水痘ウイルス

これらは異なるウイルスであり、治療法も異なります。

単純ヘルペスウイルスは、口唇性器に発症することが多いです。

まとめ

ヘルペスウイルスの種類や、

感染に伴う症状をよく覚えておきましょう。

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