看護師の過去問
第112回
午後 問62

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問題

看護師国家試験 第112回 午後 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

大規模災害が発生し、被災した住民は自治体が設置した避難所に集まり避難生活を始めた。発災3日、自治体から派遣された看護師は避難所の片隅で涙ぐんでいるAさんへの関わりを始めた。Aさんは「悲しい気持ちが止まりません」と話している。
このときのAさんへの看護師の発言で適切なのはどれか。
  • 「災害以外のことを何か考えましょう」
  • 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」
  • 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」
  • 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

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この過去問の解説 (3件)

01

災害にあった場合、PTSD(外傷性ストレス障害)やASD(急性ストレス障害)などにより、強い苦痛を感じてしまう人がいます。看護師が声掛けを行うことで、その症状を防ぐことができる可能性もあるため、メンタルケアもとても重要です。

選択肢1. 「災害以外のことを何か考えましょう」

災害を受けた直後は、それ以外のことを考えるのが難しいことが多いです。

この言葉がけは容易にしないほうがいいでしょう。

選択肢2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」

この発言からは寄り添う表現は伝わらず、主観的意見が入っているため、不正解です。

選択肢3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」

本人の辛い気持ちを受容し、認めることは、相手の気持ちが軽くなることが考えられます。また、「これでいいんだ」と思えるため、言葉がけとして適切でしょう。

選択肢4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

周りが頑張っているから、と伝えてしまうと自分自身が頑張っていないと思い、無理をしてしまう可能性があります。そのため、不適切です。

まとめ

災害時の声掛けはとても難しいですが、相手の立場になって声をかけられるようにしましょう。

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02

災害看護に関する問題です。被災後に必要となりうるケアとして心のケアが挙げられます。被災後にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)が起こりやすくなり、それに対するケアが設問となる傾向が国家試験では多く見られます。適切な対応が何かを確認していきましょう。

選択肢1. 「災害以外のことを何か考えましょう」

誤りです。Aさんの気持ちに正面から向き合っていない発言であり不適切です。

選択肢2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」

誤りです。安易な励ましは不信感の増大やPTSDの悪化につながることもあります。

選択肢3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」

正解です。Aさんの悲しくなるという反応は正常な反応であるということを伝えることで、Aさんは気持ちに寄り添ってくれていると感じ、安心する事が出来ます。

選択肢4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

誤りです。安易な励ましであり、Aさんの気持ちに寄り添えていない発言であるという観点から不適切です。

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03

災害発生時は、生命の救出や傷病の手当はもちろん、メンタルケアも重要です。早期に適切なケアを行うことで、災害の体験がフラッシュバックする急性ストレス障害(ASD)外傷ストレス障害(PTSD)を防ぐことにも繋がります。安易な励ましや助言はせず、共感的かつ支持的な態度で関わることがポイントです。

選択肢1. 「災害以外のことを何か考えましょう」

災害直後の被災者は、恐怖体験のため茫然自失の状態に陥りやすく、災害以外のことを考えることは難しい状態です。安易な助言はせず、Aさんの悲しい気持ちに寄り添いましょう。

選択肢2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」

Aさんの悲しい気持ちに共感できておらず、安易な励ましになってしまっているので誤りです。

選択肢3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」

Aさんの気持ちを否定することなく受け止めた、共感的かつ支持的な発言のため正解です。

選択肢4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

Aさんの悲しい気持ちに共感できておらず、安易な励ましになってしまっているので誤りです。

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