看護師の過去問
第112回
午後 問79
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問題
看護師国家試験 第112回 午後 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
血液透析について正しいのはどれか。
- 合併症は腹膜炎(peritonitis)が多い。
- 食事はカルシウムを制限する。
- 導入初期には不均衡症候群(disequilibrium syndrome)が起こる。
- 導入の原因疾患はIgA腎症(IgA nephropathy)が最も多い。
- 透析に用いる半透膜はタンパク質が通過する。
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この過去問の解説 (3件)
01
血液透析は腎機能の低下などにより、自分の力で排泄する力がない方に対し、半透膜を介して水や物質の移動を行い、その中で毒素を除去し不足物を補充するといった役割があります。
以下で詳しくみていきましょう。
腹膜炎を生じやすいのは、腹膜透析です。
よって不正解です。
血液透析は蛋白質摂取量は少し多めに摂り、塩分はできるだけ控えるようにします。
カリウム制限は、多くならないよう調節し、蛋白制限が緩やかになるために、リンも制限する必要が出てきます。よってカルシウムの制限は関係がないため不正解です。
透析導入時期に、不均衡症候群はみられやすいです。
透析中・終了後に頭痛や吐き気(不均衡症状)が起こることがあります。これは、血液から老廃物は抜けますが、脳の中では老廃物が残っていて、脳内の圧力(脳圧)が上がってしまうことにより起こります。自然に回復しますが、ひどいようであれば点滴などで脳圧を上昇させないようにすることもあります。
IgA腎症ではなく、糖尿病腎症が最も多い理由です。
タンパク質は大きい分子であるため、半透膜は通過できません。
よって不正解です。
透析は腎機能の低下が余儀なくされた方にとって、重要な医療処置です。
ここでしっかりと学びましょう。
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02
血液透析は透析においてメジャーな透析方法です。腕に針を穿刺し、透析液を流入することで血液の浄化を行います。血液透析の特徴や実施方法、合併症などを確認していきましょう。
誤りです。腹膜炎が合併症として起こりうるのは腹膜透析です。腹膜透析とは腹腔内に透析液を注入する透析方法で、主に在宅で行われます。実施には自己管理やセルフケア能力が必要です。
誤りです。食事制限が必要なのは、排泄に腎臓に負荷のかかるカリウムやリン、ナトリウムです。
正解です。透析液が流入する事で脳内の浸透圧が変化し、頭痛、嘔吐、倦怠感、意識障害が一時的に起こることがあります。
誤りです。原因疾患は糖尿病が圧倒的に多いです。
誤りです。たんぱく質は分子が大きい為半透膜を通過する事はできません。半透膜を通過するのはイオン分子です。
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03
この問題のポイントは、以下の通りです。
透析は、腎臓の代わりに老廃物と水分を除去し、体内の化学的バランスを維持するために行われます。血液透析と腹膜透析があります。では、問題を見ていきましょう。
腹膜透析は腹膜腔(腹腔内)に透析液を注入し、腹膜を通じて老廃物や水分を除去します。腹膜透析で、最も一般的な合併症の一つが腹膜炎(peritonitis)です。
透析時の食事のポイントは以下の通りです。
タンパク質の制限、カルシウムとリンの管理、カリウムの制限、ナトリウム(塩分)の制限、水分摂取の管理です。
血液透析の導入初期には不均衡症候群(disequilibrium syndrome)が起こります。頭痛、嘔吐、嘔気、倦怠感、痙攣、意識障害の症状が出現します。透析によって血液から老廃物や余分な物質が急速に除去され、脳内の浸透圧が変化することが原因です。
IgA腎症は、免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる免疫タンパク質が腎臓の糸球体に異常に沈着し、炎症を引き起こす病気です。
導入の原因疾患で最も多いのは、糖尿病性腎症です。
透析に使用される半透膜は、タンパク質や他の大きな分子が通過しないようになっています。この特性を利用して、血液中の老廃物や余分な物質(小分子)を透析液に移動させ、それらを取り除くことができますが、血液中のタンパク質などの大きな分子は通過しません。
この透析の問題では、血液透析と腹膜透析の違いやそれぞれの合併症を覚えておくと、解きやすくなります。
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