看護師の過去問 第112回 午後 問87
この過去問の解説 (2件)
加齢に伴って各臓器の機能が低下することで、血液検査の結果に変化を及ぼします。値が高くなる項目と低くなる項目があるので、押さえておきましょう。
血小板数の大幅な変化は見られません。
加齢による腎機能の低下により、尿素窒素やクレアチニンの値は高くなります。
白血球数の大幅な変化は見られません。
加齢によるインスリン分泌量や筋肉量の低下、脂肪組織の増加により、食後血糖値は高くなります。
AST<GOT>の大幅な変化は見られません。
この問題のポイントは、以下の通りです。
さまざまな生理学的および年齢関連の要因により、高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなることがあります。
では、問題を見てみましょう。
血小板は骨髄で生成され、血液凝固に重要な役割働きをする細胞成分です。高齢者の血小板数はあまり変化しません。
尿素窒素は、血液中に存在する窒素化合物で、主に肝臓で生成されたアンモニアの代謝産物です。尿素は腎臓を通じて体外に排泄され、腎機能の健康状態を評価するための一つの指標です。
高齢者は一般的に腎機能が年齢とともに低下する傾向があり、尿素が体外に排泄されにくくなるため、尿素窒素の値は高くなります。
白血球は免疫系の一部であり、感染症や炎症に対する防御機能を果たす細胞です。高齢者の白血球数はあまり変化しません。
高齢者は膵臓からのインスリンの分泌が低下するとともに、インスリンの効果も低下します。そのため、血糖コントロールが難しくなり、食後血糖値は高くなります。
AST<GOT>は、肝臓や筋肉、心臓、脳などの組織で見られる酵素です。ASTは主に肝臓で生成され、肝細胞の損傷や炎症が起こると、ASTのレベルが上昇します。
高齢者のAST<GOT>はあまり変化しません。
この問題では、高齢者の特徴と血液検査を関連付けて覚えておくと解きやすくなります。
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