看護師の過去問
第112回
午後 問110

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第112回 午後 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症(schizophrenia)と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきっかけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

初回訪問から1か月、訪問看護師はAさんが適切に服薬できていることを確認した。Aさんは「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話した。
このときの訪問看護師のAさんへの声かけで最も適切なのはどれか。
  • 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」
  • 「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」
  • 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」
  • 「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

Aさんは「夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話しており、抗精神病薬の副作用である眠気に困っているため、問題を解決できるように介入しましょう。

選択肢1. 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」

×:不適切

薬の副作用で朝起きられないため、朝の日課を作っても起きるのは難しいと考えられ、適切ではありません。

選択肢2. 「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」

○:適切

朝に眠気が残るのは薬の副作用であると考えられるため、主治医に相談して処方を変更してもらうのがよいでしょう。

選択肢3. 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」

×:不適切

薬の副作用で朝起きられないため、朝早くに訪問しても起きるのは難しいと考えられ、適切ではありません。

選択肢4. 「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」

×:不適切

薬の副作用で朝起きられないため、父親にお願いしても起きるのは難しいと考えられ、適切ではありません。

参考になった数0

02

この問題のポイントは、以下の通りです。

統合失調症(schizophrenia)と診断されたAさん(58歳、男性)は、夜の薬を飲むと朝に眠気が残るので昼まで寝てしまうことに困っています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」

昼まで寝てしまうのは、夜の内服の影響ですので、日課を作ったとしても朝起きるのは難しいと考えられます。

選択肢2. 「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」

薬の副作用により朝、眠気が残っている状態です。主治医に相談して、内服のコントロールをしてもらうことが必要です。

選択肢3. 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」

昼まで寝てしまうのは、夜の内服の影響ですので、朝早く訪問したとしてもAさんが起きるのは難しいと考えられます。

選択肢4. 「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」

昼まで寝てしまうのは、夜の内服の影響ですので、起こしてもらったとしてもAさんが起きるのは難しいと考えられます。朝に眠気が残ることを主治医に相談することが、適切です。

まとめ

抗精神病薬により、眠気が出現することがあります。眠気が問題となる場合、医師に相談し、薬の種類や用量を調整することができることを覚えておくとよいです。

参考になった数0