看護師の過去問
第113回
午前 問3

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第113回 午前 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒(food poisoning)の原因菌はどれか。
  • 腸炎ビブリオ
  • ボツリヌス菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • サルモネラ属菌

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておきたいポイントは、食品を扱う人の傷口や化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌です。

特に、人の皮膚や鼻腔に常在している菌が問題となる場合が多いです。それでは、それぞれの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは、主に魚介類が原因で食中毒を引き起こす菌です。

海水中に存在し、生の魚や貝類が汚染されることが多いので、化膿した創が原因となることはありません。

そのため、この選択肢は誤りです。

選択肢2. ボツリヌス菌

ボツリヌス菌は、嫌気性菌であり、土壌や水中に存在します。

この菌が産生する毒素は非常に強力で、食中毒を引き起こしますが、主に保存食品や缶詰が原因となります。

化膿した創が汚染源となることはなく、この選択肢も正解ではありません。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、人の皮膚や鼻腔に常在する菌で、特に傷口や化膿した創に多く見られます。

この菌が食品を汚染すると、エンテロトキシンという毒素を産生し、食中毒を引き起こします。

したがって、食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌として正しいのはこの選択肢です。

選択肢4. サルモネラ属菌

サルモネラ属菌は、主に家畜や鳥類の腸内に生息しており、生卵や肉類を介して食中毒を引き起こすことが多いです。

そのため、化膿した創が汚染源となることはなく、この場合は正解ではありません。

まとめ

食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌は「黄色ブドウ球菌」です。

他の食中毒の原因菌はそれぞれ異なる環境に存在しています。

腸炎ビブリオは海水中、ボツリヌス菌は土壌や水中、サルモネラ属菌は家畜や鳥類の腸内に生息していることを覚えておくことが重要です。

参考になった数3

02

食中毒は「微生物」「化学物質」「自然毒」「寄生虫」の4つに大別されます。

それぞれの原因の特徴・対策の理解がポイントとなります。

選択肢1. 腸炎ビブリオ

不正解:

腸炎ビブリオは、発育に塩分を必要とするため、

海水、汽水域が生息域の食中毒原因細菌で、魚介類を介して感染します。

選択肢2. ボツリヌス菌

不正解:

ボツリヌス菌は、無酸素、酸性度の低い環境で増殖します。
芽胞を形成し、土壌中、河川、海水などに幅広く存在しています。

簡易処理の保存食品、缶詰などで増殖します。
 

尚、ハチミツは包装前に加熱処理を行わないため、

ボツリヌス菌混入リスクがあり、

成人では常在細菌で増殖できませんが、

1歳未満は腸内細菌環境が未熟な為、

乳児ボツリヌス症の罹患リスクが高くなります。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌

正解:

黄色ブドウ球菌は自然界に広く分布し、

健康な人の皮膚にも存在しています。
粘膜や傷に多く生息し、食品を扱う人の手から食品に付着し、

黄色ブドウ球菌が増殖して毒素(エンテロトキシン)が産生され、

この毒素を食品から摂取することで食中毒を発症します。

選択肢4. サルモネラ属菌

不正解:

サルモネラ菌は、ほ乳類、鳥類、爬虫類、

両生類、河川・下水道など、自然界に生息し、

汚染された食品(とくに卵、食肉、乳製品、生野菜)

の摂取により食中毒を発症します。

保菌生物の体や排せつ物を触れた手からも経口感染します。

まとめ

黄色ブドウ球菌は、ほ乳類、鳥類、

人の体にも生息している身近な菌ですが、

この菌が原因の食中毒は、

調理人の手指汚染から食品を介し発症することが多いです。

 

設問は、「食品を扱う人の化膿した創」とある為、

手指を介し食品が汚染されることによる感染が原因である

と読み取ることもできると思います。

 

食中毒の原因は数多くありますが、

分類ごとに、原因・特徴・予防法を整理し、

理解につなげていきましょう。

参考になった数0

03

この問題で覚えておきたいポイントは、数多くある細菌の中で常在菌の意味と種類を理解していることです。

選択肢1. 腸炎ビブリオ

腸炎ビブリアは、海にいる細菌の一種です。特に、温かい季節に魚介類に付着しやすく、人がこれを食べると、腹痛・下痢や吐き気などの症状が出るのが特徴です。

魚介類の刺身や寿司類が代表的です。また、まな板や調理器具を介して二次感染による食中毒が発生していますが、設問内容とは異なるため、こちらの選択肢は誤りです。

選択肢2. ボツリヌス菌

ボツリヌス菌とは、酸素がない環境で増える細菌の一種で、強い毒素を作り出します。食中毒の原因菌の中でも特に強い毒性を持っています。

ボツリヌス菌は、密閉された缶詰や真空パック、保存食品を原因として食中毒が発生しています。

この毒素が体内に入ると、神経に影響を与え、筋肉の麻痺や呼吸困難による死亡例も発表されています。

設問内容とは異なるため、こちらの選択肢は誤りです。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、人の皮膚や鼻の中などに自然に存在しています。そのため、食品を扱う人の手に傷があると、食品に黄色ブドウ球菌が付着し、食品の中で増えると毒素を作り、その毒素が食べ物に移ることで食中毒を引き起こします。毒素は加熱しても消えないため、汚染された食べ物を食べると、吐き気・腹痛や下痢をいった症状が現れることが多いです。

このことから、設問内容の回答に相応しいので、こちらの選択肢が正解となります。

選択肢4. サルモネラ属菌

サルモネラ菌とは、腸内に感染する細菌で、食中毒の原因になることの多い菌です。

この菌は、生の肉や卵、特に鶏肉や鶏卵によく見られます。食べ物を加熱せずに食べたり、調理器具や手を清潔に保たなかったりすると、感染しやすくなります。

この菌も感染した人から人への感染もありますが、設問内容は、化膿した創が汚染源となるものと問われているので、こちらの選択肢は誤りです。

まとめ

食中毒を引き起こす細菌は数多くあり、覚えるコツとして症状や予防法と結びつける方法をお勧めします。

例えば、

サルモネラは加熱して食べる。

ボツリヌス毒素は缶詰注意。

黄色ブドウ球菌は傷口に注意。

腸炎ビブリオは生の魚介類に注意。

参考にしてみてください。

参考になった数0