看護師の過去問
第113回
午前 問38

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入で適切なのはどれか。
  • 挿入時は腹圧をかけるように促す。
  • カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。
  • 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。
  • 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

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この過去問の解説 (3件)

01

成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入時、「陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する」のが適切です。

カテーテル固定の際には、陰茎を自然な位置に保ち、尿道への無理な負担を避けるために、頭側に向けた状態で固定します。

 

 

選択肢1. 挿入時は腹圧をかけるように促す。

カテーテル挿入時に腹圧をかけると腹部に力が入るため、尿道の抵抗が高まり、カテーテル挿入が難しくなる可能性があります。

カテーテル挿入時には、深呼吸などで力を抜くよう促すことが適切です。

 

選択肢2. カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。

成人男性の場合、膀胱までの尿道の長さはおよそ16~20cm程度あります。

したがって、目安として挿入する長さはこの範囲内が適切で、12~14cmでは十分に膀胱に届かない可能性があります。

尿の流出が確認できるまで挿入を進めるのがポイントです。

 

選択肢3. 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。

尿の流出が確認できた段階で、さらに少しカテーテルを進め、確実にカテーテルが膀胱内に入っている状態でバルーンを膨らませる必要があります。

流出開始と同時ではなく、少し先まで挿入してからバルーンを膨らませることで、尿道を傷つけるリスクを避けます。

 

選択肢4. 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

陰茎を頭側に向けてカテーテルを固定することは、カテーテルが尿道に無理なく位置するための基本的な方法です。

これにより、カテーテルが曲がったり、圧迫されたりしにくくなり、膀胱留置カテーテルが安定します。

 

まとめ

膀胱留置カテーテル挿入時には、陰茎を頭側に向けて固定することで、自然な位置を保ち、尿道や膀胱に余計な負担がかからないようにすることが重要です。

また、カテーテル挿入時の長さやバルーンの膨らませ方にも注意が必要です。

正しい手技を理解することで、合併症や不快感の予防につながります。

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02

膀胱留置カテーテル挿入は

医師や看護師が行うことができる医療行為です。
手技の手順と根拠の理解がポイントとなります。

選択肢1. 挿入時は腹圧をかけるように促す。

×:

挿入時は腹圧をかけないよう、

口から息を吐いてもらい尿道括約筋を弛緩させると挿入しやすくなります。

選択肢2. カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。

×:

20cm程度が挿入の目安です。

尚、女性の場合は4~6cmになります。

選択肢3. 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。

×:

男性の尿道が16-18cmである為、

さらに2cm程度挿入しバルーンを膨らますことで、

バルーンによる尿道損傷を予防します。

選択肢4. 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

〇:

下向き固定は尿道陰嚢角をカテーテルで圧迫し、

血行障害や尿道損傷が生じる可能性がある為、

陰茎を頭側に固定し、

尿道のカーブによる圧迫を防ぐことが大切です。

女性の場合は、大腿内側に固定します。

まとめ

男性では陰茎の先端部、
女性では外陰部にある尿道の開口部から
感染するリスクがあり、無菌操作で行う必要があります。
尿道損傷を引き起こさないよう、愛護的な操作と
挿入後はチューブが引っ張られないような固定も行う必要があります。
 

挿入困難時の他、前立腺肥大症がある場合や、

尿路に関係した手術後など尿道損傷リスクがある為、

医師による挿入・対応が望ましい場合があります。

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03

成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入では、

尿道の構造や無菌操作を考慮して安全かつ適切な手技を行うことが重要です。

また、挿入時の注意点やカテーテルの固定方法などを理解する必要があります。

それでは、各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 挿入時は腹圧をかけるように促す。

カテーテル挿入時に腹圧をかけることを促すのは適切ではありません。

腹圧をかけると尿道に余分な圧力がかかり、挿入が困難になったり痛みを引き起こす可能性があります。

そのため、この選択肢は不適切です。

選択肢2. カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。

成人男性の尿道の長さは約18〜20cmであり、カテーテルを挿入する長さもそれに基づいています。

12〜14cmでは十分に膀胱まで届かない可能性があるため、この選択肢は不適切です。

選択肢3. 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。

カテーテル挿入時、尿の流出が確認された直後に固定用バルーンを膨らませるのは危険です

カテーテルが完全に膀胱内に到達していない場合、バルーンが尿道内で膨らむ可能性があり、

尿道に損傷を与える危険性があります。

バルーンを膨らませるのは、尿の流出を確認後、さらにカテーテルを数センチ進め、

膀胱内に位置するようにしてから行います。

この選択肢は誤りです。

選択肢4. 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

カテーテルの固定は、陰茎を頭側(上側)に向けた状態で行うことで、

尿道の自然なカーブに沿い、カテーテルの位置が安定します。

この方法により、尿道への負担を軽減し、カテーテルのずれや損傷を防ぐことができます。

この選択肢が正解です。

まとめ

成人男性への膀胱留置カテーテル挿入では、

「陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する」が正しい方法です。

他の選択肢である腹圧の促しや不十分な挿入長さ、尿の流出開始直後のバルーン膨張は不適切であり、

患者に痛みや損傷を引き起こす可能性があるため避けるべきです。

適切な技術を理解し、安全に実施することが重要です。

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