看護師の過去問
第113回
午前 問53
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(92歳、女性)は重度の障害のため体を動かすことができないが、表情などで意思表示はできる。Aさんは食べることが好きで「最期まで口から食べたい」と言っていた。最近は誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しており、現在は入院中で終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。
家族への退院時の指導で適切なのはどれか。
家族への退院時の指導で適切なのはどれか。
- 「24時間付き添ってあげましょう」
- 「オムツの重さで尿量を測定しましょう」
- 「Aさんの息が苦しそうになったら救急車を呼びましょう」
- 「Aさんが食べたいと望めば、口から食べさせてあげましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
誤嚥性肺炎を繰り返す中での入院で
嚥下機能障害があると思われ、
経口摂取はリスクにつながる為、
胃ろう造設という選択肢もありますが、
終末期で、積極的な治療は希望していません。
終末期の状態なると、積極的な治療を行うか否か
患者さん、ご家族の意向を大切にしながら
選択できるよう、必要に応じ支援する事も大切です。
死を目前にした人に行われる医療的・介護的ケアを
ターミナルケアといいます。
最後までQOL向上を目指すことが目的となります。
自宅で行える支援として、退院後もご家族が
安心してケアができ、穏やかな時間が過ごせるよう
個別性のあるケアの工夫を指導する事は重要です。
×:
家族だけでは負担が大きいことが予想される為、
家族の意向も踏まえ介護サービスの活用や
調整など働きかけることも大切です。
×:
尿量の減少がみられている可能性もありますが、
終末期で積極的治療を希望していない為、
尿量測定の指導は必ずしも適切とは言えません。
×:
終末期で積極的治療を希望していない為、
救急要請は必ずしも適切とは言えません。
〇:
口から食べたいという本人の希望があり、
意向を尊重した関わりができるようにする為、
その援助につながる指導は適切であるといえます。
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02
終末期の患者に対するケアでは、患者の意思を尊重しつつ、
家族が安心して介護できるよう支援することが重要です。
このケースでは、Aさんが「最期まで口から食べたい」と希望し、
家族も積極的な治療を望んでいない状況を踏まえて、適切な指導を行う必要があります。
家族が24時間付き添うことは、現実的に負担が大きく、介護疲れを招く可能性があります。
介護負担を軽減するため、必要に応じて訪問看護や介護サービスを利用することを提案すべきで、
この指導は不適切です。
終末期において、尿量の測定が患者のQOL向上に大きく寄与するとは限りません。
Aさんの状態では、細かいモニタリングよりも快適さを優先するべきであり、この指導は不適切です。
家族が積極的な治療を望んでいない状況では、苦痛緩和を目的とした緩和ケアを優先します。
救急車を呼ぶことは積極的治療を行うことにつながり、家族の意思に反しているので不適切です。
Aさんは「最期まで口から食べたい」と意思表示をしています。
この希望を尊重し、誤嚥リスクを最小限にするために少量ずつ、
ゆっくりと安全に食べさせることが重要です。
この指導は、患者のQOLを重視した適切な対応であり、正解です。
家族への退院時の指導で適切なのは「Aさんが食べたいと望めば、口から食べさせてあげましょう」です。
この指導は患者の意思を尊重し、終末期ケアにおけるQOLを高めることにつながります。
他の選択肢は、患者や家族の意向を十分に考慮した指導としては不適切です。
家族が安心して介護できるよう、具体的で実行可能な支援を提供することが重要です。
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03
家族への退院時の指導で適切なのは、「Aさんが食べたいと望めば、口から食べさせてあげましょう」です。
Aさんは「最期まで口から食べたい」という意志を示しており、終末期においては、本人の希望に沿って食べる楽しみを尊重することが大切です。
誤嚥のリスクがあるため少量で安全を確認しながら慎重に行いますが、食べることの喜びを支援することが重要です。
家族が24時間付き添うことは、現実的には負担が大きく、特に在宅での終末期ケアにおいては介護者の身体的・精神的負担も考慮する必要があります。
訪問看護や訪問介護、家族の協力を得ながら、無理のないサポート体制を整えることが大切です。
終末期のケアでは、無理に尿量を測定する必要はありません。
終末期においては、排尿量の管理よりも本人の快適さや家族の負担軽減が優先されます。
排泄ケアは適宜行いますが、尿量測定にこだわる必要はないため、この指導は適切ではありません。
家族は積極的な治療を望んでいないため、症状が悪化しても自宅で安らかに過ごせるように支援することが重要です。
終末期の苦痛緩和については訪問医や訪問看護のサポートを受け、緊急時の対応を事前に相談しておくとよいでしょう。
Aさんの「最期まで口から食べたい」という希望を尊重し、食事を通して少しでも心の安らぎや楽しみが得られるように支援することは大切です。
誤嚥のリスクがあるため少量を慎重に与える必要はありますが、本人が望む場合には、無理のない範囲で口からの食事を提供することが適切です。
終末期ケアでは、本人の意思を尊重し、Aさんの希望に沿った生活の質の向上を目指すことが大切です。
家族にもAさんの気持ちを大切にしたケアの方法を説明し、サポート体制の整備や負担軽減について配慮することが重要です。
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