看護師の過去問
第113回
午前 問99

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。小学校の教員を定年退職後、書道教室に月2回、体操教室に月1回通っている。20年前に高血圧症(hypertension)と診断され、月に1回かかりつけの病院を受診し、内服治療をしている。6か月前から、Aさんは病院の受診日を間違えたり、書道教室の日時を忘れることがあり、かかりつけの医師に相談した。Aさんは認知症専門医を紹介され、Mini−Mental State Examination <MMSE>18点で、軽度のAlzheimer(アルツハイマー)型認知症(Alzheimer disease)と診断された。
診断から半年後、Aさんは、かかりつけの病院の看護師に「書道教室や体操教室は、部屋のカレンダーに書いて参加しています。ただ、最近、病院に行くときに薬が残っています。大切な薬だと先生から言われていますし、忘れずに飲みたいのですが、どうしたらよいでしょうか」と相談した。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
  • 「お薬手帳を毎朝見るようにしましょう」
  • 「薬のことは主治医に相談してください」
  • 「薬を飲んだらカレンダーに丸を付けてみませんか」
  • 「この病気の方は、薬を飲み忘れることがあります」

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は「薬を飲んだらカレンダーに丸を付けてみませんか」です。

Aさんは軽度のアルツハイマー型認知症があり、薬の飲み忘れに対する不安を抱えています。

この場合、薬を確実に服用するための視覚的なリマインダーを活用することが有効です。

薬を飲んだ後にカレンダーに丸を付けるという行動は、シンプルで続けやすい方法であり、薬の飲み忘れを減らすための良い習慣となります。Aさん自身が服薬状況を確認できるため、自己管理の支援にもなります。

 

選択肢1. 「お薬手帳を毎朝見るようにしましょう」

お薬手帳は薬の管理に役立つツールですが、Aさんのような認知機能の低下がある場合、毎朝見るという行為自体を忘れる可能性があります。

お薬手帳は外出時や医師とのやり取りには有効ですが、日々の服薬管理には必ずしも適切とは言えません。

 

選択肢2. 「薬のことは主治医に相談してください」

主治医に相談することはもちろん大切ですが、Aさんが具体的な対策を求めているため、実践的なアドバイスが求められます。

薬の飲み忘れに関しては、看護師が具体的な方法を提案することが適切です。

 

選択肢3. 「薬を飲んだらカレンダーに丸を付けてみませんか」

正解。視覚的なリマインダーは、認知機能が低下しているAさんにとって効果的な対策です。

カレンダーに丸を付ける行動は簡単で、Aさんが続けやすい方法です。

Aさん自身で服薬を管理することができます。

 

選択肢4. 「この病気の方は、薬を飲み忘れることがあります」

この回答はAさんの不安に対する共感や理解を示すものですが、具体的な解決策を提示していないため、適切ではありません。

Aさんには実際に役立つ対策が求められています。

 

まとめ

Aさんのような認知症患者に対しては、視覚的なリマインダーを利用して服薬をサポートすることが有効です。

カレンダーに丸を付ける方法は簡単で持続しやすく、自己管理能力を高める助けとなります。

他の選択肢は、薬の管理において実践的な助言には至っていません。

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