看護師の過去問
第113回
午前 問104
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問104 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃんは出生前診断で羊水過多があり先天性食道閉鎖症(congenital esophageal atresia)の疑いを指摘されていた。在胎37週5日に帝王切開で出生、出生体重2,780g、Apgar(アプガー)スコア1分後8点、5分後9点である。出生後、Aちゃんは先天性食道閉鎖症(congenital esophageal atresia)と診断された。
Aちゃんは、出生当日に胃瘻造設、気管食道瘻切断と食道端々吻合術を受け、無事に終了した。術後2日、人工呼吸器管理下で胸腔ドレーンが挿入されている。
このときの看護で適切なのはどれか。
Aちゃんは出生前診断で羊水過多があり先天性食道閉鎖症(congenital esophageal atresia)の疑いを指摘されていた。在胎37週5日に帝王切開で出生、出生体重2,780g、Apgar(アプガー)スコア1分後8点、5分後9点である。出生後、Aちゃんは先天性食道閉鎖症(congenital esophageal atresia)と診断された。
Aちゃんは、出生当日に胃瘻造設、気管食道瘻切断と食道端々吻合術を受け、無事に終了した。術後2日、人工呼吸器管理下で胸腔ドレーンが挿入されている。
このときの看護で適切なのはどれか。
- 頸部を伸展させた体位を保持する。
- 摂食嚥下機能の獲得のため支援を開始する。
- 親がAちゃんを自由に抱っこするのを見守る。
- 唾液の吸引時には吸引チューブの挿入を吻合部の手前までにする。
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この過去問の解説 (2件)
01
先天性食道閉鎖症の術後の合併症として、縫合不全や、瘻孔の再開通、狭窄が考えられます。
さらに、術後しばらくして起こる合併症として、気管が弱くなり息を吸うときに気管がつぶれてしまう気管軟化症や、胃食道逆流症のリスクもあります。
食道端々吻合術後の食道部の合併症として、頸部の伸展による縫合不全を起こすリスクが挙げられます。
そのため、この対応は適切ではありません。
Aちゃんは、人工呼吸器管理下で胸腔ドレーンが挿入されている状態です。
摂食嚥下機能を獲得することを目的とした支援は、この段階では早すぎるため、適切ではありません。
術後2日目で人工呼吸器管理下で胸腔ドレーンが挿入されており、創部の筋緊張の緩和と安静が必要な状態です。
抱っこをすることで気管チューブやドレーン抜去の危険性があるため、抱っこは禁止となります。
唾液の吸引時には吸引チューブの挿入を吻合部の手前までにしておくことで、創部への刺激を避けることができます。
よって、この看護は適切です。
先天性食道閉鎖症のの治療と看護については、初めての出題でした。
胃瘻造設や気管食道瘻切断、食道端々吻合術によって起こると考えられる合併症や、術後の経過について整理し、正しく判断できるようにしておきましょう。
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02
Aちゃんは、先天性食道閉鎖症の手術(胃瘻造設、気管食道瘻切断、食道端々吻合術)を受けた後、人工呼吸器管理下で胸腔ドレーンが挿入されています。術後の看護ケアでは、術後の合併症を防ぐために、呼吸管理や吻合部の保護に注意する必要があります。
では、各選択肢について見ていきます。
【誤り】
頸部の伸展は、気道を確保するために必要な場合もありますが、食道端々吻合術後には適切ではありません。頸部を伸展させることで吻合部に負担がかかり、縫合部の破綻リスクが高まる可能性があります。通常、頭を少し上げた状態(やや高めの体位、半座位など)で、吻合部への圧力を避けつつ呼吸を楽にする体位が推奨されます。
【誤り】
術後2日目の段階で、摂食嚥下機能の訓練を開始するのは適切ではありません。食道端々吻合術後は、吻合部がしっかり治癒するまで、摂食は控えられます。消化管の癒合が進むまでの間、経口摂取ではなく、胃瘻などを用いた栄養管理が行われます。摂食嚥下機能の訓練は、術後の経過が安定し、医師からの許可が出てから開始します。
【誤り】
術後2日目で胸腔ドレーンが挿入され、人工呼吸器が管理されている状況では、自由に抱っこすることは推奨されません。術後は、体の動きが吻合部やドレーンに悪影響を及ぼすリスクがあるため、親の抱っこも慎重に行う必要があります。特に術後すぐの段階では、安静を保ち、適切な体位で管理することが優先されます。
【正解】
唾液の吸引時に、吸引チューブを吻合部の手前までにとどめるのは非常に重要です。吸引チューブを深く挿入しすぎると、吻合部に直接触れてしまい、傷をつけるリスクがあります。吻合部がまだ完全に治癒していない術後の段階では、特に注意が必要です。吻合部を保護しながら、口腔内や気道の分泌物を適切に管理することが術後の回復に重要です。
Aちゃんの術後管理において、吻合部を保護し、感染や縫合部破綻を防ぐことが最優先されます。唾液の吸引時には吸引チューブを吻合部に触れないように操作することが正しい看護ケアです。
他の選択肢は、術後の段階としては時期尚早であったり、逆に吻合部に負担をかけるリスクがあるため不適切です。
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