看護師の過去問
第113回
午前 問107
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問107 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(28歳、会社員)は、夫(30歳、会社員)と2人で暮らしている。2023年2月5日からの月経を最後に無月経となり、妊娠の可能性を考えて受診した。医師の診察の結果、妊娠と診断された。
診察後、Aさんから看護師に妊娠中の生活や体重の管理について質問があった。Aさんは「缶ビール2本を週に1回、コーヒーを1日に6杯以上飲んでいます。友人に勧められて半年前から1日240μgの葉酸のサプリメントを飲んでいます」と話す。Aさんは身長160cm、非妊時体重62kgである。
看護師のAさんへの説明で適切なのはどれか。
Aさん(28歳、会社員)は、夫(30歳、会社員)と2人で暮らしている。2023年2月5日からの月経を最後に無月経となり、妊娠の可能性を考えて受診した。医師の診察の結果、妊娠と診断された。
診察後、Aさんから看護師に妊娠中の生活や体重の管理について質問があった。Aさんは「缶ビール2本を週に1回、コーヒーを1日に6杯以上飲んでいます。友人に勧められて半年前から1日240μgの葉酸のサプリメントを飲んでいます」と話す。Aさんは身長160cm、非妊時体重62kgである。
看護師のAさんへの説明で適切なのはどれか。
- 「飲酒は中止しましょう」
- 「妊娠中の体重増加は7kg未満にしましょう」
- 「コーヒーは今までどおりに飲んでも大丈夫です」
- 「葉酸は妊娠前と同じ量を摂るようにしましょう」
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この過去問の解説 (2件)
01
正しい選択肢は「飲酒は中止しましょう」です。
妊娠中の飲酒は、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があるため、中止するよう指導します。また、妊娠中の体重管理やカフェイン摂取、葉酸の必要量についても適切な指導が必要です。
妊娠中の飲酒は、胎児性アルコール症候群(FAS)のリスクを高めるため、中止することが推奨されます。アルコールは胎盤を通過して胎児に影響を与え、知的障害や発育遅滞、外見上の異常などを引き起こす可能性があります。そのため、妊娠中は少量であっても飲酒を避けるべきです。
妊娠中の体重増加は、妊娠前の体重やBMIに基づいて異なります。Aさんの身長と非妊時体重から計算すると、BMIは約24.2となり、「普通体型(BMI 18.5~25)」に該当します。この場合、妊娠中に推奨される体重増加は7~12kgです。したがって、「7kg未満」という指導は不適切であり、もう少し広い範囲での体重管理を推奨する必要があります。
カフェインの過剰摂取は、流産や早産、低出生体重児のリスクを高めるとされています。妊娠中のカフェイン摂取量の目安は1日200mg以下とされていますが、Aさんは1日に6杯以上のコーヒーを飲んでいるため、カフェインの摂取量が過剰になる可能性があります。一般的なコーヒー1杯に含まれるカフェイン量は約95mgであり、6杯飲むと570mg以上のカフェインを摂取することになります。これでは胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、コーヒーの摂取量を減らすよう指導する必要があります。
妊娠前から葉酸を摂取することは、神経管閉鎖障害の予防に有効です。しかし、妊娠中はさらに葉酸の必要量が増えるため、1日に推奨される摂取量は妊娠前の240μgから400μgに増やす必要があります。Aさんは現在240μgのサプリメントを摂取しているため、さらに葉酸を増やすように指導が必要です。
Aさんには、妊娠中の飲酒を中止することが重要です。また、体重管理については、Aさんの体型に応じた適切な体重増加範囲を伝えます。カフェイン摂取量も現状では過剰なため、減らすよう指導が必要です。さらに、葉酸の必要量が妊娠中は増加するため、現在の摂取量を増やすよう説明することが適切です。
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02
妊娠中に摂取する栄養・成分が胎児にどのような影響を与えるのかを押さえておきましょう。
妊娠中にアルコールを摂取すると、アルコールが胎盤を通過することにより、胎児アルコール症候群(FAS:Fetal alcohol syndrome)や先天異常・神経発達障害を引き起こすおそれがあり、飲酒は避ける必要があります。
よって、この説明は適切です。
Aさんの妊娠前のBMIは24.22であり、普通体重に分類されます。
普通体重の場合、妊娠中の体重増加は10~13kgが目安とされています。
妊娠前のBMIごとの体重増加量の目安
・低体重(やせ)【18.5未満】:12~15kg
・普通【18.5以上25.0未満】:10~13kg
・肥満(1度)【25.0以上30.0未満】:7~10kg
・肥満(2度以上)【30.0以上】:上限5kgまでが目安
カフェインの過剰摂取は、胎児の成長遅延などの影響を及ぼす可能性があります。
WHOは、妊娠中はカフェイン摂取が1日300㎎(コーヒー約2杯分)を超えないように注意喚起をしています。
Aさんはコーヒーを1日6杯以上飲んでいるため、指導が必要となります。
葉酸はビタミンB群の一種で、DNA・RNAやタンパク質の生合成を促進する栄養素です。
細胞の生産や再生を助けて体の発育に役立ち、細胞の分裂や成熟にも大きく関わるため、特に胎児にとっては重要な成分です。
胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のため、妊娠中の葉酸の摂取量は480μg/日が推奨されています。
通常の生活において、日本人の平均的な葉酸の摂取量は十分だといわれていますが、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は、必要な量が普段の約2倍になります。
妊娠中のアルコール摂取は胎児に影響を及ぼすため、妊娠中に飲酒している際は指導が必要です。
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