看護師の過去問
第113回
午後 問42

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

術後の創傷治癒が遅延する因子となる検査値はどれか。
  • アルブミン2.2g/dL
  • 推算糸球体濾過量<eGFR>62mL/分/1.73m2
  • 動脈血酸素分圧<PaO2>88Torr(room air)
  • ヘモグロビンA1c<HbA1c>5.5%

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この過去問の解説 (2件)

01

術後の創傷治癒が遅れる原因はさまざまですが、主に以下のような要因が考えられます。これらの要因は、体の回復力に影響を与え、傷が治るのを遅らせることがあります。

腎機能の低下:

腎機能の低下は老廃物の蓄積、タンパク質の代謝への影響、電解質バランスの乱れ、血流の悪化、免疫力の低下を引き起こします。

栄養不良:

タンパク質やビタミン、ミネラルが不足していると、体が新しい組織を作るための材料が足りなくなります。特に、アルブミンというタンパク質の値が低いと、栄養状態が悪いことを示し、創傷治癒が遅れる原因となります。

血流の不足:

血液は酸素や栄養を運ぶ役割をしているため、血流が悪いと傷の治りが遅くなります。糖尿病や動脈硬化などがあると、血流が悪くなることがあります。

感染:

傷口が感染すると、体は感染と戦うためにエネルギーを使うため、傷の治りが遅くなります。感染を防ぐためには、適切な消毒や清潔な環境が重要です。

糖尿病:

糖尿病があると、血糖値が高くなりやすく、これが創傷治癒を遅らせる原因になります。高血糖は血流を悪くし、感染のリスクを高めます。

免疫力の低下:

免疫力が低下していると、体が感染と戦う力が弱くなり、傷の治りが遅くなります。免疫力は栄養状態やストレス、病気などによって影響を受けます。

喫煙:

喫煙は血流を悪くし、酸素の供給を妨げるため、創傷治癒を遅らせます。禁煙することで、傷の治りが良くなることがあります。

高齢:

年齢が高くなると、細胞の再生能力が低下し、創傷治癒が遅くなることがあります。

 

これらの要因を前提として答えを導きましょう。

選択肢1. アルブミン2.2g/dL

正解: アルブミンは血液中のタンパク質の一種で、体の中で栄養を運ぶ役割をしています。アルブミンの値が低いと、栄養状態が悪いことを示しており、体が傷を治すための材料が不足している可能性があります。通常、アルブミンの正常値は3.5~5.0g/dLです。2.2g/dLはかなり低い値で、創傷治癒が遅れる原因となります。

選択肢2. 推算糸球体濾過量<eGFR>62mL/分/1.73m2

不正解: eGFRは腎臓の働きを示す指標で、血液をどれだけきれいにできるかを表しています。通常、60mL/分/1.73m²以上が正常とされます。62mL/分/1.73m²は正常範囲内であり、創傷治癒に大きな影響を与える値ではありません。

選択肢3. 動脈血酸素分圧<PaO2>88Torr(room air)

不正解: PaO2は血液中の酸素の量を示します。通常、80~100Torrが正常範囲です。88Torrは正常範囲内であり、酸素が十分に供給されている状態です。したがって、創傷治癒に影響を与える値ではありません。

選択肢4. ヘモグロビンA1c<HbA1c>5.5%

不正解: HbA1cは過去1~2か月の血糖値の平均を示す指標で、糖尿病の管理に使われます。通常、5.5%は正常範囲内であり、血糖値が安定していることを示します。したがって、創傷治癒に影響を与える値ではありません。

まとめ

以上の説明から、創傷治癒が遅延する因子となる検査値は アルブミン 2.2g/dL です。

この値は低栄養状態を示しており、体が傷を治すための材料が不足している可能性があるため、創傷治癒が遅れる原因となります。

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02

正しい解答は、「アルブミン2.2g/dL」です。

アルブミンの低値は栄養状態の悪化を示し、これが術後の創傷治癒の遅延の因子となります。

 

選択肢1. アルブミン2.2g/dL

アルブミンは血液中のタンパク質で、栄養状態を評価する指標です。

正常値は約3.5〜5.0g/dLで、2.2g/dLは低栄養状態を示します

低栄養状態では、体の修復に必要なタンパク質が不足するため、創傷治癒が遅れる原因となります。

 

選択肢2. 推算糸球体濾過量<eGFR>62mL/分/1.73m2

eGFRは腎機能の指標で、正常値は60mL/分/1.73m²以上です。

この値が62mL/分/1.73m²であれば、腎機能に問題がない範囲です。

創傷治癒の遅延を直接示す因子ではありません。

 

選択肢3. 動脈血酸素分圧<PaO2>88Torr(room air)

PaO2は血中の酸素濃度を示す指標で、正常値は80〜100Torr程度です。

88Torrは正常範囲内であり、創傷治癒に大きな影響を与える低酸素状態とは言えません。

 

選択肢4. ヘモグロビンA1c<HbA1c>5.5%

HbA1cは血糖コントロールの指標で、正常値は約4.6〜6.2%です。

5.5%は正常範囲内であり、血糖値が高くないため、創傷治癒の遅延を直接示すものではありません。

 

まとめ

創傷治癒には栄養状態が大きく影響します。

アルブミンの低値は、体が創傷修復に必要なタンパク質を十分に供給できないことを示し、治癒の遅れにつながります。

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