看護師の過去問
第113回
午後 問44

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

慢性腎臓病(chronic kidney disease)においてリンの代謝障害によって生じる症状はどれか。
  • 骨痛
  • 貧血
  • 浮腫
  • 不整脈

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この過去問の解説 (2件)

01

慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)では、腎臓の機能が低下するため、リンやカルシウムの代謝に影響を及ぼします。これにより、さまざまな症状が現れることがあります。リンの代謝障害に関連する症状について考えてみましょう。

 

リンの代謝障害とその影響

腎臓の機能が低下すると、リンの排泄が不十分になり、血液中のリンの濃度が上昇します。これが高リン血症を引き起こし、カルシウムの代謝にも影響を与えます。高リン血症は、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を刺激し、二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こします。この状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出し、骨の健康に悪影響を及ぼします。

 

以上のことを前提として問題を解いていきましょう。

選択肢1. 骨痛

正解:高リン血症とそれに伴う二次性副甲状腺機能亢進症は、骨からカルシウムが溶け出す原因となり、骨密度が低下します。これにより、骨が弱くなり、骨痛や骨折のリスクが増加します。したがって、リンの代謝障害によって生じる症状として骨痛が挙げられます。

選択肢2. 貧血

不正解:貧血は腎臓病に伴うエリスロポエチンの産生低下によって起こることが多いですが、リンの代謝障害とは直接的な関係はありません。

選択肢3. 浮腫

不正解:浮腫は、腎臓の機能低下による水分やナトリウムの排泄不全が原因で起こりますが、リンの代謝障害とは直接的な関係はありません。

選択肢4. 不整脈

不正解:不整脈は、電解質異常(特にカリウムやカルシウムの異常)によって引き起こされることがありますが、リンの代謝障害が直接の原因となることは少ないです。

まとめ

慢性腎臓病におけるリンの代謝障害によって生じる症状として最も関連が深いのは 骨痛 です。これは、リンの代謝異常が骨の健康に影響を与えるためです。

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02

正しい解答は、「骨痛」です。

慢性腎臓病(CKD)において、リンの代謝障害が進行すると、骨代謝にも影響を及ぼし、骨痛を引き起こすことがあります。

 

選択肢1. 骨痛

慢性腎臓病では、腎臓の機能低下によりリンが体内に蓄積し、カルシウムとリンのバランスが崩れます。

これにより、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が増加し、二次性副甲状腺機能亢進症が発生します。

その結果、骨からカルシウムが溶け出し、骨密度が低下して骨痛や骨折のリスクが高まることがあります。

 

選択肢2. 貧血

慢性腎臓病で貧血が生じるのは、エリスロポエチン(赤血球を産生するホルモン)の分泌が腎臓で低下するためです。

これはリンの代謝障害が直接原因ではありません。

 

選択肢3. 浮腫

浮腫は、腎臓の機能低下により体内の水分バランスが崩れることで起こります。

特にナトリウムと水の排泄がうまくいかない場合に生じますが、リンの代謝障害が直接の原因ではありません。

 

選択肢4. 不整脈

不整脈は、慢性腎臓病でカリウムカルシウムの異常が起きた場合に発生することがありますが、リンの代謝障害が直接の原因となることは少ないです。

高リン血症によって二次的にカルシウム異常が起こり、それが不整脈を引き起こすこともありますが、リンの蓄積そのものが直接的な原因とは言えません。

 

まとめ

慢性腎臓病におけるリンの代謝障害は、カルシウムの代謝にも影響を与え、骨代謝異常を引き起こすため、骨痛が生じます。

リンの代謝異常が関与する他の症状もありますが、骨への影響が特に問題となります。

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