看護師の過去問
第113回
午後 問105
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問題
看護師国家試験 第113回 午後 問105 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
A君(5歳、男児)は共働きの両親と3人で暮らしている。2歳6か月で自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder)と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「Aは病院が苦手で、予防接種はAの手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。
診察の結果、1週後に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「Aが血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
3か月後、自宅でのA君への成長ホルモン製剤の注射は順調に実施されている。
外来受診時に母親から看護師に「Aが通っている療育センターにも相談しましたが、Aは自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder)であるだけでなく、注射もしているので就学のことを考えると心配です。通常の学級に通わせたいと考えているのですが、通常の学級への就学について教えてください」と相談があった。看護師の説明で適切なのはどれか。
A君(5歳、男児)は共働きの両親と3人で暮らしている。2歳6か月で自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder)と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「Aは病院が苦手で、予防接種はAの手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。
診察の結果、1週後に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「Aが血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
3か月後、自宅でのA君への成長ホルモン製剤の注射は順調に実施されている。
外来受診時に母親から看護師に「Aが通っている療育センターにも相談しましたが、Aは自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder)であるだけでなく、注射もしているので就学のことを考えると心配です。通常の学級に通わせたいと考えているのですが、通常の学級への就学について教えてください」と相談があった。看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「お母さんが学校で待機する必要があります」
- 「就学する学級は受入れ先の校長が決定します」
- 「通常の学級に籍を置くと通級指導は受けられません」
- 「A君の特性に合わせた配慮を学校に求めることができます」
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題を解くポイントは、看護師が母親の立場に寄り添いつつ、適切な制度や支援について保護者に説明できるかどうかが重要となります。
以下の選択肢を確認していきましょう。
不正解
親が学校で待機する義務はありません。
不正解
文部科学省によると、「就学する学級の受け入れ先は、本人・保護者の意見を可能な限り尊重し、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則としている。」と記載があるため、選択肢の内容は不適切です。
不正解
通常の学級に籍をおいていても、必要に応じて特別支援教育は受けられます。
正解
現在の教育制度では、個々の特性に応じた支援が行われます。
この選択肢の文面は、母親の不安を和らげ、具体的な行動につなげることができます。
障害のある子供の教育にあたっては、その障害の状態に応じて、可能性を最大限に発揮させ、将来の自立や社会参加のための必要な力を培うという視点にたって、一人一人の教育的ニーズに応じた指導が必要であると文部科学省が提唱しています。
この内容に一番近い選択肢を見つけることがこの問題では必要ななります。
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02
母親からの相談に対する看護師の説明として適切なのは、「A君の特性に合わせた配慮を学校に求めることができます」です。
自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもが通常の学級に通う場合、特性に応じた合理的配慮を学校側に求めることができます。
これは「障害者差別解消法」や「教育基本法」に基づいた権利であり、学校との連携が重要です。
親が学校で待機する必要はありません。
学校側は、特別な教育的配慮が必要な児童に対し、教育現場で適切な支援を提供する責任があります。
学級の選定は、保護者と教育委員会の話し合いによって決まるのが基本です。
校長が一方的に決定するわけではなく、保護者の意向が重要視されます。
通常の学級に籍を置きながら、通級指導教室で必要な支援を受けることが可能です。
通級指導では、専門の教師が個別の支援を行い、学習や生活の課題に対応します。
自閉スペクトラム症の特性に応じた配慮を学校に求めることは、合理的配慮として認められています。
具体的には、クラス内での席の配置、学習課題の調整、特別な支援機器の利用などが含まれます。
自閉スペクトラム症のある子どもが通常の学級に通う場合、特性に応じた配慮を学校に求めることができます。
看護師としては、母親の不安に寄り添いながら、合理的配慮について正しい情報を提供し、学校や教育委員会との連携を支援することが重要です。
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