看護師の過去問
第113回
午後 問112

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問112 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(24歳、女性)は大学卒業後、一般企業に就職したが、何度も自宅の鍵を閉めたかどうかを確認するため、遅刻を繰り返した。連絡せずに複数回の遅刻があったことを上司のBさんから強く注意され、うつ状態となったため精神科外来を受診したところ、強迫性障害(obsessive−compulsive disorder)と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>が処方された。
内服を始めて1週後、Aさんは看護師に「鍵を閉めたかどうかの確認が増え、睡眠時間が減ってつらい」と訴えている。
看護師の声かけで適切なのはどれか。
  • 「主治医に薬の変更を相談しましょう」
  • 「睡眠状況を具体的に教えてください」
  • 「Bさんに別の部署に異動したいと伝えてみましょう」
  • 「鍵を閉めたかどうか気になるときは別のことを考えましょう」

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くポイントは、強迫性障害の患者に対する関わり方を把握しているかどうかになります。

選択肢1. 「主治医に薬の変更を相談しましょう」

不正解

主治医に薬の相談をすることは間違いではないのですが、より相応しい選択肢があるので、不正解とします。

選択肢2. 「睡眠状況を具体的に教えてください」

正解

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を服薬後に、Aさんより「確認が増え、睡眠時間が減った」との訴えがあります。

セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の副反応として、不安感の一時的な増加や睡眠障害があります。Aさんの訴えから、服用後の副反応とも考えられますので、具体的にAさんの訴えに耳を傾ける必要があります。

選択肢3. 「Bさんに別の部署に異動したいと伝えてみましょう」

不正解

Aさんからは部署異動の訴えは聞かれないので、こちらは不正解です。

選択肢4. 「鍵を閉めたかどうか気になるときは別のことを考えましょう」

不正解

強迫性障害の患者は、自分の考えや行動が過剰であることを認識している場合が多いです。そのため、患者へプレッシャーになるような言葉を言ったり、自己否定を強めるような発言は控えることが重要です。

まとめ

強迫性障害の患者にとって、周囲の理解とサポートは非常に重要です。言葉の選び方に気をつけて、患者が安心して話せる環境を整えることが大きな一歩となります。

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02

睡眠状況を具体的に把握するために、「睡眠状況を具体的に教えてください」と声かけすることが適切です。

Aさんは内服開始後、症状の変化やつらさを訴えており、睡眠状況や強迫行為の具体的な状態を詳細に聞き取ることで、薬の効果や副作用、心理的負担の度合いをアセスメントする必要があります。

 

選択肢1. 「主治医に薬の変更を相談しましょう」

薬の効果や副作用の調整は主治医が行いますが、変更の提案には患者の具体的な症状の情報が必要です。

まずはAさんの睡眠状況や症状を詳細に把握することが優先されます。
 

選択肢2. 「睡眠状況を具体的に教えてください」

睡眠状況を具体的に把握することで、薬の副作用や強迫行為の増加が睡眠にどのように影響しているかを評価できます。

この情報は、主治医への報告や支援計画の作成に役立ちます。

選択肢3. 「Bさんに別の部署に異動したいと伝えてみましょう」

職場での環境調整は重要ですが、Aさんの現状では強迫行為や睡眠問題が主訴であり、まずはこれらの改善が優先されます。

異動に関する助言は現在の問題解決にはつながりにくいため、不適切です。

 

選択肢4. 「鍵を閉めたかどうか気になるときは別のことを考えましょう」

強迫性障害の症状を単に「別のことを考える」で抑えることは困難です。

このような声かけは症状を軽視していると受け取られる可能性があり、適切ではありません。

 

まとめ

Aさんのつらさを理解し、睡眠状況や強迫行為の変化を丁寧に聞き取ることが大切です。

看護師は、患者の訴えに寄り添いながら、主治医や治療チームと連携して支援を提供する必要があります。

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