看護師の過去問
第113回
午後 問113

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問113 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(24歳、女性)は大学卒業後、一般企業に就職したが、何度も自宅の鍵を閉めたかどうかを確認するため、遅刻を繰り返した。連絡せずに複数回の遅刻があったことを上司のBさんから強く注意され、うつ状態となったため精神科外来を受診したところ、強迫性障害(obsessive−compulsive disorder)と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>が処方された。
受診に同行していた母親からは「Aから『私の代わりに鍵が閉まっているか見てきてほしい』といった要望が多い。それに従わないと『どうして私のつらさを分かってくれないの』と大きな声を出す。どのように関わればよいか分からない」と看護師に相談があった。
母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
  • 要望に応じ続ける方がよいと助言する。
  • 治療の効果が得られるまで待つように伝える。
  • 母親が疾患をどのように理解しているか確認する。
  • Aさんが大きな声を出しても反応しないように助言する。

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この過去問の解説 (2件)

01

強迫性障害の患者への家族の関わり方は、治療や回復において重要な役割を果たします。しかし、不適切な対応は症状を悪化させる可能性があるため、ここでしっかりと理解しておきましょう。

選択肢1. 要望に応じ続ける方がよいと助言する。

不正解

過剰な協力は、患者の強迫行為を助長し症状の悪化につながる可能性があります。

選択肢2. 治療の効果が得られるまで待つように伝える。

不正解

治療効果が得られるまでただ待つだけでなく、症状に過剰に反応せず、治療のプロセスを尊重すること、患者との適度な距離を保つことが必要です。

選択肢3. 母親が疾患をどのように理解しているか確認する。

正解

家族のサポートは、治療効果に大きな影響を持ちます。そのため、必要に応じて医師や看護師など治療者からアドバイスを受け、家族としての患者への適切な対応を学ぶ必要があります。

選択肢4. Aさんが大きな声を出しても反応しないように助言する。

不正解

患者の病状に過剰に反応することは、患者の症状が悪化したり、病気の回復が遅れる可能性もあります。

症状に過剰に反応せず、患者を見守ることが大切です。

まとめ

治療効果を待つ間は、焦らず「少しずつ改善していくプロセス」を大切にすることが重要です。家族や周囲の人が患者を支えることで、治療の進展を促し、患者の回復力を引き出すことができます。

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02

母親が疾患をどのように理解しているか確認するが適切です。

強迫性障害(OCD)は、本人の強迫観念や行動に家族がどのように対応するかによって症状に影響を与えることがあるため、母親が疾患をどの程度理解しているかを確認することが重要です。

これにより、適切な対応方法を共有し、家族が治療プロセスを支援できるようになります。

選択肢1. 要望に応じ続ける方がよいと助言する。

強迫性障害の症状に家族が過剰に協力すると、症状が強化される可能性があります。

鍵を確認する行為に母親が応じ続けることは、Aさんの強迫行動を助長するため適切ではありません。

 

選択肢2. 治療の効果が得られるまで待つように伝える。

治療効果を待つだけではAさんの症状が改善されるとは限らず、母親がどう対応するべきか分からないまま不安が続く可能性があります。治療中でも家族が適切に対応できるように支援する必要があります。

選択肢3. 母親が疾患をどのように理解しているか確認する。

強迫性障害の特徴や治療について母親が理解しているか確認することで、母親自身の不安を軽減し、Aさんへの適切な支援方法を一緒に考えることができます。

 

選択肢4. Aさんが大きな声を出しても反応しないように助言する。

Aさんが強迫行動を支援してほしいと求める場面で、無視をすることは、Aさんの孤立感や不安感を強める可能性があります。

家族としては、Aさんの感情に寄り添いながらも、症状を助長しない対応を模索することが大切です。

 

まとめ

母親がAさんの疾患について正しく理解し、症状に対して適切に対応できるように支援することが重要です。

家族が安心して支援に取り組めるように、疾患の特徴や家族の役割について説明することで、治療プロセスの一助となります。

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