看護師 過去問
第114回
問219 (午後 問99)

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問題

看護師試験 第114回 問219(午後 問99) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(57歳、男性)は、芳香族アミンを扱う化学工場に39年勤務している。
現病歴:ここ数か月で次第に尿の色が濃くなった。いきまないと排尿できなくなり、泌尿器科を受診し、採血および尿検査を受けた。
既往歴:特記すべき点なし。
生活歴:喫煙40本/日を36年間、焼酎120mLの飲酒をほぼ毎日、20年間続けている。
身体所見:顔面、四肢に浮腫なし、黒色便なし、血便なし。
検査所見:赤血球308万/μL、Hb9.9g/dL、血清アルブミン4.2g/dL、血清総ビリルビン0.2mg/dL、血糖102mg/dL、ヘモグロビンA1c<HbA1c>5.4%。
Aさんは術後から、これまでにはなかった勃起障害が出現した。Aさんのテストステロン値は13.5pg/mL(50歳代の基準値:4.6〜19.6pg/mL)であった。
Aさんの勃起不全(erectile dysfunction)の原因で考えられるのはどれか。
  • 性ホルモン分泌の低下
  • 神経損傷
  • 糖尿病(diabetes mellitus)
  • 喫煙

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢:神経損傷

膀胱全摘出術では、膀胱の周囲を走る陰茎勃起に関わる自律神経(骨盤神経・陰部神経)を切除または牽引することがあり、手術後に新たな勃起障害が起こりやすいです。

Aさんのテストステロン値は基準範囲内、血糖も正常であり、術前から続く喫煙は今回の「急な変化」を説明できません。

したがって神経損傷が最も可能性の高い原因となります。

選択肢1. 性ホルモン分泌の低下

Aさんのテストステロン 13.5 pg/mL は年齢基準(4.6–19.6 pg/mL)内に入っており、急激な低下はみられません。

選択肢2. 神経損傷

膀胱全摘+回腸導管造設は骨盤内を広く操作します。

手術後ただちにEDが始まった点から、骨盤内自律神経系の損傷が最も整合的です。

選択肢3. 糖尿病(diabetes mellitus)

血糖102 mg/dL、HbA1c 5.4%で糖尿病の診断基準を満たさず、神経障害性EDの説明にはなりません。

選択肢4. 喫煙

長期喫煙は血管障害を通じてEDのリスク因子ですが、Aさんは手術以前から喫煙しており、「術後に突然発症した」変化を説明しにくいです。

まとめ

膀胱全摘出術後の新規EDは骨盤内自律神経の損傷が第一に疑われる。

ホルモン値・血糖が正常で、既存の生活習慣(喫煙)も急性発症を説明しないため、他の選択肢は該当しません。

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