公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問54
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問54 (訂正依頼・報告はこちら)
緩和ケアについて、正しいものを2つ選べ。
- 終末期医療への人的資源の重点配備が進められている。
- 精神症状、社会経済的問題、心理的問題及びスピリチュアルな問題の4つを対象にしている。
- 我が国の緩和ケアは、がん対策基本法とがん対策推進基本計画とによって推進されている。
- がん診療連携拠点病院における緩和ケアチームは、入院患者のみならず外来患者も対象とする。
- 診療報酬が加算される緩和ケアチームは、精神症状の緩和を担当する常勤医師、専任常勤看護師及び専任薬剤師から構成される。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解は、3と4です。
緩和ケアとは、がん患者の苦痛を緩和し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の改善を図るものです。
1.→がん対策基本法にもとづいて2007年に策定された「がん対策推進基本計画」の中には、在宅療養者においても十分な緩和ケアが実施できる体制を整備することなどが盛り込まれています。また、治療の初期段階から緩和ケアを導入することについても言及されています。終末期医療への人的資源の重点配備については言及されていません。よって、1は誤りです。
2.→身体的、精神的、社会的、スピリチュアル的な4つの問題を対象としています。精神症状、社会経済的問題はここには含まれませんので、2は誤りです。
3.→我が国の緩和ケアは、がん対策基本法と「がん対策推進基本計画」とによって推進されています。
平成28年12月のがん対策基本法改正で、緩和ケアについて定義されました。また、「がん対策推進基本計画」では、緩和ケアについては、「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が重点的に取り組むべき課題として位置付けられています。よって、3は正しいです。
4.→緩和ケアチームは、入院中は定期的に病室に訪問し、外来通院中は「緩和ケア外来」にて、治療やケアを継続していきます。よって、4は正しいです。
5.→診療報酬が加算される緩和ケアチームは、身体症状の緩和を担当する常勤医師、精神症状の緩和を担当する常勤医師、緩和ケアの経験を有する専任の常勤看護師、緩和ケアの経験を有する薬剤師の4名から構成されます。よって、5は誤りです。
参考になった数101
この解説の修正を提案する
02
また、2018年の第3期がん対策推進基本計画では、がんと診断された時からの緩和ケアが掲げられています。
さらに、診療報酬が加算される緩和ケアのチームは、身体症状の緩和を担当する常勤医師、精神症状の緩和を担当する常勤医師、緩和ケアの経験を有する常勤看護師、薬剤師から構成されます。
以上により、3は正しく、1と2と5は正しくありません。
4については、先の推進基本計画に関連して、がん診断連携拠点病院制度が定められており、拠点病院では緩和ケアチームの看護師による外来看護業務の支援や強化が求められていますから、正しいです。
参考になった数61
この解説の修正を提案する
03
以下に解説します。
緩和ケアが重要視されていることは事実ですが、「人的資源の重点配備」という表現は、緩和ケアの具体的な政策や現状として正確に表現されているとは言えません。緩和ケアに必要な人的資源の配備が進められていることはありますが、全国的に均等に進められているわけではありません。
緩和ケアでは、身体的な症状(痛みなど)に加え、精神的、心理的、社会的、スピリチュアルな問題も含めて総合的にケアを行いますが、「4つを対象にしている」というのは不正確です。実際には多面的なアプローチが必要です。
正しいです。
日本では、がん対策基本法やがん対策推進基本計画に基づいて、がん患者に対する緩和ケアが推進されています。これにより、緩和ケアの充実と普及が図られています。
正しいです。
がん診療連携拠点病院における緩和ケアチームは、入院患者だけでなく、外来患者にも対応しています。これにより、病院に通院している患者も緩和ケアの支援を受けることができます。
診療報酬が加算される緩和ケアチームには、精神症状の緩和だけでなく、身体的症状の緩和も担当するチームメンバーが含まれます。精神症状の緩和を担当するだけの構成ではありません。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問53)へ
第1回(2018年)問題一覧
次の問題(問55)へ