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公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問7

問題

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統計的仮説検定の説明として、正しいものを1つ選べ。
   1 .
t検定では、自由度が大きいほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却の限界値は小さい。
   2 .
2つの条件の平均に有意な差が認められない場合、それらの平均には差がないといえる。
   3 .
K.Pearsonの相関係数が0.1%水準で有意であった場合、2つの変数間に強い相関があるといえる。
   4 .
対応のない2群のt検定では、各群の標準偏差が大きいほど、有意な差があるという結果が生じやすい。
   5 .
K.Pearsonの相関係数の有意性検定では、サンプルサイズが小さいほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却の限界値は小さい。
( 公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問7 )
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この過去問の解説 (2件)

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正答は1です。

1 記述のとおりです。t検定とは、2つの平均値の差を調べる際に用いられる検定法です。自由度とは、自由に値が決めることができるデータの数を指します。

平均値を比較するt検定における各群の自由度は「データの数-1」となります。例えば、10個のデータがあるとき、平均値が変わらないようにするためには、9個までは自由に決めることが出来ますが、残り1個は自動的に決まってしまうため、自由度は「 10 − 1 = 9 」となります。t検定は2群の平均値を比較するため、自由度は「 (データAの数 − 1 ) + (データBの数 − 1 ) 」となります。自由度が大きいということは、データの数が多いと言えます。

検定においては、「t分布表」に、自由度に対応した各有意水準における「t値」(平均値の差を数値化した指標)の基準、つまり帰無仮説を棄却するかどうかを判断するt値の棄却の限界値が示されています。

t値が分布表の数値を超えていれば有意な差があると見て、平均値の差はないといった帰無仮説(棄却することを目的に設定される、検定を行うために立てる仮説)が棄却できることになります。自由度が大きくなるほど、分布表に示されているt値は低くなっており、棄却の限界値は小さいと言えます。

2 統計的仮説検定において、2つの条件の平均の差を調べる際、「2つの条件の平均に差はない」といった帰無仮説を立て、その帰無仮説を棄却することで「差がある」ことを示すといった手順を辿ります。

この場合、「有意な差が認められなかった」という表現は、帰無仮説が棄却できなかった状態であると言えます。しかし、帰無仮説が棄却されない=帰無仮説が正しいと結び付けることはできず、「対立仮説(帰無仮説に対する仮説)が正しいとは言えない」と結論付けることになり、帰無仮説については肯定も否定もされない状態となります。

したがって、「平均には差がない」と断定することはできないため、誤りとなります。

3 相関係数とは、相関の強さや方向を示す値であり、−1.0~+1.0の間の値を取ります。相関係数が0であれば相関なし、+1や−1であれば相関が強いと読み取ります。

「相関係数が0.1%水準で有意であった場合」との記述からは、「相関がある」ということは言えますが、相関の強さ(相関係数の大きさ)までは言えないため、誤りとなります。

4 標準偏差とは、データが平均値からどのくらい散らばっているか、ばらつきの大きさを示す指標です。平均値の近くにデータがまとまっているときは標準偏差が小さくなり、ばらつきが大きいときは標準偏差が大きくなります。

標準偏差が大きくなるということは、データが平均値から離れているデータ(外れ値)が多いと考えられるなど、平均値が信用しにくく、有意な差を正しく検出できる可能性が低下すると言えます。したがって、誤りとなります。

なお、「対応のない」とは、測定対象が異なる人物や集団について測定したデータのことを指します。一方、同一の人物や集団について複数測定したデータのことを「対応のある」と表現します。

5 (1)でも示しましたが、サンプルサイズ(データの個数)が多くなるほど、自由度が大きくなり、帰無仮説の棄却の限界値が小さくなります。したがって、誤りとなります。

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正解は1です。

各選択肢については以下の通りです。

1.t分布は母集団に対して正規分布の形になります。自由度は、ある代表値や合計値があるときに自由に値をとれる数のことです。自由度を求めるときは、t分布を使用します。t分布は、正規分布をしている母集団からの無作為抽出標本に対して使うものとなっていますので、t分布表を参照すると、自由度が大きいほど臨界値が小さくなります。

よって、選択肢の内容は正しいです。

2.誤りです。

有意な差が認められない場合でも、第2種の過誤(対立仮説が実際には真であるのに帰無仮説を採用してしまうこと)でないかどうか検討する必要があります。有意水準を小さくすると第二種の過誤を犯す確率が増加し、検出力が下がりますので注意が必要です。

3.誤りです。

有意確率は、相関の強さを示しているわけではありません。

相関係数が0.1%水準で有意であるということは、実際には相関が存在しないにもかかわらず相関が存在すると結論付けるリスクが10%あるということを意味します。

また、相関係数は、確率変数間の因果関係を説明するものではありません。

4.誤りです。

対応のない2群とは、比較するデータ以外の別の要素が異なっているデータ群を指します。対応のないt検定は、個人間のデータの平均値の差を比較する検定です。このことより、標準偏差が大きいほど、臨界値よりも計算値の絶対値が小さくなるため有意な差は生じにくいです。

5.誤りです。

K.Pearsonの相関係数の検定はt分布表を用いて行います。上側確率とは、有意水準(5%もしくは1%)を表しています。この部分にt値が入っていれば、帰無仮説を棄却できる、つまり有意な差が認められるということになります。1の解説と同様に、正規分布の表で考えると、サンプルサイズが小さいほど自由度が小さくなるので、棄却の限界値は大きくなります。

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