公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問8 (午前 問8)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問8(午前 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

心理学の実験において、「XがYに及ぼす影響」の因果的検討を行うとき、正しいものを1つ選べ。
  • Xを剰余変数という。
  • Yを独立変数という。
  • 研究者があらかじめ操作するのはYである。
  • Xは、値又はカテゴリーが2つ以上設定される。
  • 結果の分析には、XとYの相関を求めるのが一般的である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は4です。

独立変数とは、単独で変化できる変数、操作しようとする変数、原因に当たるものとなります。

一方、従属変数とは、独立変数の変化に応じて変化する変数、測定しようとする変数、結果に当たるものとなります。

「XがYに及ぼす影響」に当てはめると、Xが「独立変数」、Yが「従属変数」となります。

1 上述のとおり、Xは独立変数に当たるため、誤りとなります。

なお、剰余変数とは、独立変数以外で原因(従属変数に影響を及ぼす)となる可能性のある変数のことを指します。

2 上述のとおり、Xが独立変数、Yが従属変数となるため、誤りとなります。

3 研究者が操作をするのは独立変数であるXとなります。したがって、誤りとなります。

4 比較を行う切り口(要因・独立変数)が1つでも、その要因の中には2つ以上の水準(1つの要因に含まれる値やカテゴリー)が含まれています。例えば、性別という切り口であれば、男性と女性という2つのカテゴリーがあります。

水準を2つ以上設定しないと、従属変数が変動しても、その変動が剰余変数によるものである可能性もあるなど、独立変数が及ぼす影響とは言えないため、水準間で従属変数の変動を比較する必要があります。したがって、正しいです。

5 因果関係とは、一方の変化がもう一方の変化に影響を与えること、原因によって結果が起こるという関係を指します。

相関関係とは一方の値が変化すると、もう一方も同じように変化するといった、変数がともに変化する関係を指し、どちらが原因・結果となるかは明確ではありません。したがって、因果的な検討をする際に相関を求めることは適切ではなく、選択肢は誤りとなります。

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02

正解は4です。

各選択肢については以下の通りです。

1.2.「XがYに及ぼす影響」という場合、Xが原因であり、Yが結果になります。原因とみなす変数のことを「独立変数」といい、結果とみなす変数のことを「従属変数」といいます。よって、選択肢1、2は誤りです。

3.研究者があらかじめ操作するのは、原因であるXです。よって選択肢は誤りです。

4.Xは、研究者が操作を加える側面であるので、必ず複数設定されます。よって選択肢は正しいです。

5.XとYの相関を求めても、それが直接「XがYに影響を及ぼす」という方向の「因果関係」に関わっているとは限りません。因果の方向やその他の要因についても検討する必要があります。よって選択肢は誤りです。

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03

心理学の実験では、独立変数(X)と従属変数(Y)の関係を明らかにし、因果関係を検討します。独立変数は研究者が操作する要因であり、従属変数はその影響を受ける結果として測定される要因です。独立変数(X)は通常、複数の値やカテゴリーを設定し、それらが従属変数(Y)にどのような影響を与えるかを観察します。以下、各選択肢について検討します。

選択肢1. Xを剰余変数という。

剰余変数(余剰変数、第三変数とも呼ばれる)は、独立変数と従属変数の間の関係に影響を及ぼす可能性のある外部要因を指します。剰余変数は、X(独立変数)ではなく、実験で統制されるべき要因です。この選択肢は誤りです。

選択肢2. Yを独立変数という。

従属変数(Y)は、独立変数(X)の影響を受ける結果として測定される変数です。独立変数と従属変数は明確に区別されており、この選択肢は定義を混同しています。したがって、誤りです。

選択肢3. 研究者があらかじめ操作するのはYである。

研究者が操作するのは独立変数(X)です。従属変数(Y)は、独立変数の操作の結果として生じる影響を測定する変数であり、研究者が直接操作するものではありません。この選択肢は誤りです。

選択肢4. Xは、値又はカテゴリーが2つ以上設定される。

独立変数(X)は、実験条件を操作する要因であり、少なくとも2つ以上の値(連続的な数値)またはカテゴリー(離散的な条件)を設定する必要があります。これにより、各条件が従属変数(Y)に与える影響を比較できるようになります。この選択肢は正しいです。

選択肢5. 結果の分析には、XとYの相関を求めるのが一般的である。

相関は2つの変数間の関係を測定する方法であり、因果関係を直接的に検討するものではありません。因果関係を検討する場合には、分散分析(ANOVA)やt検定など、独立変数の操作による従属変数の変化を評価する統計手法が用いられます。この選択肢は誤りです。

まとめ

心理学の実験において、独立変数(X)は研究者が操作し、その値やカテゴリーが2つ以上設定されることで、従属変数(Y)への影響を比較します。この点を正しく述べている「 Xは、値又はカテゴリーが2つ以上設定される」が、正答となります。他の選択肢は、実験の基本的な定義や手法を誤解しているため不適切です。

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