公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問15 (午前 問15)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問15(午前 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

ケース・アドボカシーの説明として、正しいものを1つ選べ。
  • 患者が、医療側の説明を理解し、同意し、選択すること
  • 医療側が、患者に対して行おうとしている治療について十分な説明を行うこと
  • 障害のある子どもと障害のない子どもを分けずに、特別な教育的ニーズをもつ子どもを支援すること
  • ある個人や家族がサービスの利用に際して不利益を被らないように、法的に保障された権利を代弁・擁護すること
  • 障害者が社会の中で差別を受けることなく、権利の平等性を基盤にして、一般社会の中に正当に受け入れられていくこと

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

ケース・アドボカシーとは、個人の権利を守るために、個別のクライエントに対して行われるアドボカシー活動のことです。アドボカシーには、「擁護・代弁」「支持・表明」という意味があります。

その人が本来ならば受益できるサービスを、その権利を知らない、もしくは知っていても公使が困難な状況にある人々に、適切な支援がなされるよう働きかけることなどが挙げられます。

ケース・アドボカシーの目的は個別の権利を尊重することなので、対象者の気持ちや要望を充分に理解した上で行われることが重要です。

各選択肢については以下の通りです。

1・2 医療側が患者に対して行う治療について十分な説明をすることを「インフォームドコンセント」と呼んでいます。

1・2の選択肢の内容はそれにあたりますので、いずれも誤りです。

3 障害のある子どもと障害のない子どもを分けずに支援する教育のことを「インクルージョン(包摂)教育」と呼んでいます。よって、選択肢は誤りです。

4 アドボカシーとは「権利擁護」「代弁」を意味しています。個別のケースに適用されるアド ボカシーとして説明は適切です。よって、選択肢は正しいです。

5 障害者が一般社会に正当に受け入れられることを「ノーマライゼーション」と呼んでいま す。よって、選択肢は誤りです。

参考になった数76

02

正答は4です。

アドボカシーとは、自分の権利を表明することが難しい場合に、援助者がそれを代弁することを指します。

そのうち、ケースアドボカシーとは、個別のクライアントの権利を代弁し擁護することを言います。

一方、個別の対象者に限定せず、地域全体の状況を改善へ向けての取り組みをクラスアドボカシーと呼びます。

1 インフォームドコンセントの説明であり、誤りとなります。

インフォームドコンセントとは、医療行為を受ける際に、患者が医療側から十分な説明を受け、納得した上で同意するといった、医療行為に必要な手続きです。

2 (1)同様にインフォームドコンセントの説明であり、誤りとなります。

3 インクルーシブ教育の説明であり、誤りとなります。

インクルーシブ教育とは、一人ひとりの多様性を尊重し、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶ仕組みのことを言います。

4 上述の通り、正しいです。

5 ノーマライゼーションの説明であり、誤りとなります。

ノーマライゼーションとは、障害を持つ人が、障害のない人と同じように暮らしていけるようにするという考え方です。

参考になった数38

03

ケース・アドボカシーとは、特定の個人や家族が社会サービスや支援を利用する際に、不利益を被ることがないように、その権利を代弁し、擁護する活動を指します。これは、特定のケース(事例)に焦点を当て、個別的な支援や権利の擁護を行うものです。ケース・アドボカシーは、社会的弱者が必要な支援や権利を確保するために重要な役割を果たします。

本問題では、この概念を正しく理解した上で適切な選択肢を選ぶ必要があります。

選択肢1. 患者が、医療側の説明を理解し、同意し、選択すること

この記述は、患者の自己決定権を尊重する「インフォームド・コンセント」に関連する説明です。ケース・アドボカシーは、患者の権利を代弁し擁護する活動であり、インフォームド・コンセントとは異なります。

この選択肢は不適切です。

選択肢2. 医療側が、患者に対して行おうとしている治療について十分な説明を行うこと

これは医療従事者が行うべき説明責任の一部であり、「インフォームド・コンセント」のプロセスに含まれます。ケース・アドボカシーは、医療従事者ではなく、個人や家族の代弁者として権利擁護を行うことを指します。

この選択肢は不適切です。

選択肢3. 障害のある子どもと障害のない子どもを分けずに、特別な教育的ニーズをもつ子どもを支援すること

この記述は、教育現場での「インクルーシブ教育」に関連する説明です。

インクルーシブ教育は、障害の有無に関わらず全ての子どもを平等に教育する方針ですが、ケース・アドボカシーとは異なる概念です。

この選択肢は不適切です。

選択肢4. ある個人や家族がサービスの利用に際して不利益を被らないように、法的に保障された権利を代弁・擁護すること

この記述は、ケース・アドボカシーの定義を正確に表しています。

ケース・アドボカシーは、社会的弱者や困難を抱える個人・家族が必要な支援を受けられるように、その権利を代弁し、不利益を回避するための活動を行うものです。

この選択肢は適切です。

選択肢5. 障害者が社会の中で差別を受けることなく、権利の平等性を基盤にして、一般社会の中に正当に受け入れられていくこと

この記述は、障害者の社会参加を目指す「ノーマライゼーション」の概念に関連しています。ノーマライゼーションは、社会全体の平等性や包括性を重視する考え方ですが、個別のケースに焦点を当てるケース・アドボカシーとは異なります。

この選択肢は不適切です。

まとめ

ケース・アドボカシーは、特定の個人や家族に焦点を当て、社会サービスや支援の利用において不利益を被らないよう、その権利を代弁・擁護する活動を指します。他の選択肢(インフォームド・コンセント、インクルーシブ教育、ノーマライゼーション)は、それぞれ別の概念を表しており、ケース・アドボカシーに該当しません。

したがって、正答は ある個人や家族がサービスの利用に際して不利益を被らないように、法的に保障された権利を代弁・擁護することです。

参考になった数1