公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問22 (午前 問22)
問題文
Alzheimer型認知症について、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 問22(午前 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
Alzheimer型認知症について、最も適切なものを1つ選べ。
- うつ症状が起こる。
- 見当識は保持される。
- 近時記憶障害は目立たない。
- 具体的な幻視が繰り返し出現する。
- 注意や明晰さの著明な変化を伴う認知の変動がみられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は1です。
認知症とは、後天的な脳の障害などの原因により、認知機能が低下し、日常生活に支障が生じている状態を指します。中核症状として、記憶障害や見当識障害(時間や場所などが分からなくなる)、実行機能障害(物事を順序通りに進められない)などが挙げられます。また、環境要因などに影響して、抑うつ、妄想、興奮、徘徊などの行動・心理症状(BPSD)も現れます。
認知症の類型のうち、アルツハイマー型認知症は、脳が徐々に萎縮することで認知機能が低下していく病気であり、比較的緩やかに進行していくとされています。新しく経験したこと(近時記憶)から忘れていること、部分的でなく全体を忘れる(食事を食べたことそのもの)ことなど、加齢による物忘れとは異なる特徴があります。
1 うつ症状は、周辺症状・BPSDのひとつであり、適切です。
2 上述の通り、見当識障害が認知症の中核症状に挙げられているため、不適切となります。
3 アルツハイマー型においては、近時記憶障害が見られるため、不適切となります。
4 幻視は、レビー小体型認知症の特徴的な症状に挙げられるものです。よって、不適切となります。
5 認知機能の変動(頭がはっきりしている状態とそうでない状態の差が激しいこと)についても、レビー小体型認知症の症状に挙げられます。よって、不適切となります。
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02
正解は1です。
アルツハイマー型認知症とは、脳の萎縮により脳細胞が減少し、さまざまな知的機能の低下や症状がみられるようになる疾患です。
認知症の中でも罹患者が最も多いため、顕在化する症状は様々です。
その中で、誰にでも起こりうる「中核症状」として、記憶障害、判断・認知能力の低下、見当識障害があります。
また、「中核症状」から起因する「周辺症状」として、徘徊、暴力暴言、幻覚、妄想、不安、うつ症状などがみられます。
よって、1が最も適切です。
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03
Alzheimer型認知症は、進行性の認知機能障害を特徴とする疾患であり、主に記憶障害、見当識障害、実行機能の低下などがみられます。
初期段階では近時記憶障害が顕著に現れるほか、うつ症状や意欲の低下などの精神症状もよくみられます。
他の認知症(例:レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症)との鑑別が重要です。本問題では、Alzheimer型認知症の特徴に該当する正しい選択肢を選びます。
Alzheimer型認知症では、初期から中期にかけてうつ症状や意欲低下がみられることが多いです。患者は、記憶力の低下や認知機能の障害に対する自覚を持つことで、不安や抑うつを感じやすくなります。
この症状は、Alzheimer型認知症においてよくみられる特徴の一つであり、この選択肢は適切です。
Alzheimer型認知症では、初期段階から見当識障害(時間・場所・人物に関する認識の障害)がみられることが一般的です。特に時間に関する見当識が最初に障害され、その後、場所や人物に関する見当識障害が進行します。
この選択肢は誤りです。
近時記憶障害(短期間の記憶が保持できない状態)は、Alzheimer型認知症の初期段階における最も特徴的な症状です。この障害は日常生活にも大きな影響を与え、診断の重要な手がかりとなります。
この選択肢は誤りです。
具体的な幻視(例:人や動物が見える)が繰り返し現れるのは、主にレビー小体型認知症の特徴です。
Alzheimer型認知症では、幻視は一般的ではなく、この選択肢は不適切です。
注意や明晰さの変動は、レビー小体型認知症に特徴的な症状です。
Alzheimer型認知症では、認知機能の低下は緩やかに進行し、変動が目立つことはありません。
この選択肢は誤りです。
Alzheimer型認知症では、初期段階から近時記憶障害や見当識障害が顕著に現れ、進行に伴い意欲低下やうつ症状がよくみられます。他の認知症と異なり、幻視や注意力の変動は一般的ではありません。
この特徴を正しく述べているのはうつ症状が起こるです。
他の選択肢は、Alzheimer型認知症の特徴に該当しないため不適切です。
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