公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問43
この過去問の解説 (2件)
正解は4です。
可視的変形とは、先天的・後天的のどちらかに関わらず、顔などの身体外表に見られる、見た目の違いのことを指します。
各選択肢については以下の通りです。
1.これらの特徴を持つ人が必ずしもそうであるとは言い切れません。よって選択肢は不適切です。
2.可視的差異は、自尊感情の低下や社会不安、抑うつなどの心理的苦痛に関する問題が生じる要因になります。よって選択肢は不適切です。
3.母親がネガティブな感情を抱き、乳幼児期に養育行動が減少したり、児童期にいじめが発生して肯定的な自己概念が容易には形成できない状態になったりする可能性はあります。しかし、周囲の受容や本人の教育など適切な支援があれば、年齢に応じた心理社会的発達を遂げることは可能です。よって選択肢は不適切です。
4.自らの様子が他者に受け入れられるか、自分自身がどのように受容できるかは、可視的差異に適応するに当たり重要なことです。よって選択肢は適切です。
正答は4です。
可視的差異とは、身体外表にみられる見た目の違いのことを指します。可視的差異がもたらす心理社会的問題としては、自尊感情の低下、社会不安、抑うつ、対人関係の回避などが挙げられます。
こうした心理社会的問題に対しては、家族や友人など周囲の人が可視的差違について理解・受容することはもちろん、社会参加・社会適応に向けて学校や職場など広く社会一般の理解や受容が求められます。したがって、正答は(4)となります。
1 可視的差異を有することで、周囲から否定的に見られないだろうかなど社会参加への不安が生じたり、自分を見られたくないとして人間関係を避けるようになったりすることなどから、社会的ひきこもりへとなることは少なくありません。
ただし、家族への依存性が強くなることが影響しているというよりも、社会参加や対人交流への不安などが影響として考えられます。したがって、誤りとなります。
2 可視的差異を有するといった周囲との違いを感じることで、自尊感情の低下が生じることは考えられます。また、周囲からの理解・受容が十分になされていない状況下であれば、対人関係がうまく築けないなど、自尊感情の低下を招く状態となることも考えられます。したがって、誤りとなります。
3 特に、可視的差異の有無が発達に大きな差をもたらしているとは言われておらず、年齢に応じた心理社会的発達を遂げることは十分に可能です。したがって、誤りとなります。
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