公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問133

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問133 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者に副作用の少ない睡眠薬として、適切なものを2つ選べ。
  • バルビツール酸系薬剤
  • フェノチアジン系薬剤
  • オレキシン受容体拮抗薬
  • メラトニン受容体作動薬
  • ベンゾジアゼピン受容体作動薬

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

【正解:3と4】

副作用の強さから高齢者が服用を控えるべき薬については、“高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015(※)”にまとめられています。

こちらには特に慎重な投与を要する29種類の薬が掲載されていますが、本問で取り上げられている睡眠薬以外にも、高血圧の薬や抗血栓薬などにも該当する薬があります。

睡眠薬でいうと、例えばベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ふらつきや認知機能低下などの副作用が見られます。高齢者の場合、ふらついて転倒すると、大きな事故に繋がるリスクがあります。一般に、高齢者には非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が勧められるようです。

1:バルビツール酸系薬剤は、以前は多く使われていましたが、近年処方されなくなってきています。それは、安全性が低く、時に命にかかわるような重篤な副作用が生じることもあるからです。効果はあるのですが、危険性が高いです。そこで開発されたのが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬というわけです。

2:フェノチアジン系薬剤は睡眠薬ではなく、抗精神病薬です。

3:オレキシン受容体拮抗薬は、2015年に国内販売が開始された比較的新しい睡眠薬です。ベンゾジアゼピン系のものと比べ、耐性や依存性はなく、副作用も少ないとされます。

4:メラトニン受容体作動薬も、2014年に国内販売が開始された睡眠薬で、こちらもやはりベンゾジアゼピン系と比べると耐性や依存性は少ないとされています。

5:上記より、誤りと分かります。

以上より、3と4が正解となります。

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/drug-therapy-for-the-elderly/drug-therapy-for-the-elderly.pdf#view=FitV (R3.7.27取得)

参考になった数65

02

正解:3・4

高齢者に対する薬物療法を安全に行うためにガイドラインが出ています。

1、バルビツール酸系薬剤は、基本的に高齢者への使用は控えます。

2、フェノアチジン系薬剤も、ふらつきなど抗コリン作用が高いため、使用を控えます。

3、適切です。

オレキシン受容体拮抗薬は、転倒や依存のリスクが少ないです

4、 適切です。

メラトニン受容体作動薬は、転倒や依存のリスクが少ないです。

5、ベンゾジアゼピン受容体作動薬のうち、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用は控えます。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、少量の使用に留めます。

参考になった数28

03

正解は3と4です。

1.→バルビツール酸系薬剤は、現在はほとんど処方されていません。副作用も多く、特に生命にかかわる重篤な副作用が生じることもあります。よって、1は不適切です。

2.→フェノチアジン系薬剤は、「抗精神病薬」の一種です。古い薬で副作用が多く、「悪性症候群」「重篤な不整脈」など時に命に関わるような副作用が生じることもあります。よって、2は不適切です。

3.→覚醒系神経に働くオレキシンをブロックして不眠症を治療するオレキシン受容体拮抗薬は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬に比べて転倒や日中の眠気等の副作用が少なくて済みます。また、入眠障害だけでなく、中途覚醒にも効きます。よって、3は適切です。

4.→メラトニン受容体作動薬は、高齢者において減少しているメラトニンを補う意味で効果があります。よって、4は適切です。

5.→ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、高齢者にはあまり使わないよう勧められています。睡眠時間を長くしてくれる作用はありますが、転倒や骨折のリスクもあり、依存性もあります。よって、5は不適切です。

参考になった数21