公認心理師 過去問
第7回(2024年)
問151 (午後 問74)
問題文
30歳の女性A、会社員。Aは、社内の心理相談室に自発的に来談した。心理相談室に勤務する公認心理師Bが話を聴いたところ、Aは、「1年前から上司Cに無視され、会社の役に立たないから退職したほうがいいんじゃないか、などと言われる。勤務中に急に涙が出て、夜も眠れない。心身ともに不安定になっていてつらい」と述べている。
Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。
Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第7回(2024年) 問151(午後 問74) (訂正依頼・報告はこちら)
30歳の女性A、会社員。Aは、社内の心理相談室に自発的に来談した。心理相談室に勤務する公認心理師Bが話を聴いたところ、Aは、「1年前から上司Cに無視され、会社の役に立たないから退職したほうがいいんじゃないか、などと言われる。勤務中に急に涙が出て、夜も眠れない。心身ともに不安定になっていてつらい」と述べている。
Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。
Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。
- ハラスメント相談窓口の利用方法をAに説明して、相談を勧める。
- Aに職場に対する今の心境や就労についての思いを話してもらう。
- Aの心身の不安定な状態への対応として、社内の産業医と連携する。
- Aの意向を聴いて人事部門等と連携する必要があるかどうか検討する。
- 事実関係を聞き取り、Cの言動がパワーハラスメントであることをAに伝える。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
社内のハラスメント事案に対する対応について、問われています。
では、問題を見てみましょう。
上司Cの対応により、Aが心理的負担感を感じていることは事実であるため、事業所内および、国の相談機関を含め、ハラスメント相談窓口の利用方法を説明することは適切です。
情報収集の観点からも、Aの体験過程をA自身が振り返り、自分の考えを整理していくためにも、適切です。
Aは勤務中に涙がでたり、不眠症状を呈していて、不安定であることを自覚しているため、Aの許可を得たうえで、社内の産業医と連携することは適切です。事業所にハラスメント窓口を作ることは義務であり、産業医は、高ストレス者の面接指導と再発予防の観点から従業員と関わる役割を担っています。
Aの許可なく第三者に相談内容を公表することはできませんが、業務改善等、何らかのアクションを起こす場合は、社内の部門と連携することは効果的であるため、適切です。
双方の事実関係を聞き取ることは必要ですが、パワーハラスメントに当たるかどうかを、一方の意見のみで判断することはできないため、Aに伝えることは不適切です。常に中立に対応することが重要であり、Cの言動の理由も確認するなど、事実関係の調査を行うことが求められています。
ハラスメントに関しては、https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/measures/inquiry_counter 厚労省が作成している、あかるい職場応援団のホームページに内容が分かりやすく記載されています。どういう状態がハラスメントに該当するか、事業所としてどのように対応すべきか、公認心理師がその中で何を担うべきかについて、整理しておきましょう。
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02
不適切なものを1つ選ぶ問題ですので注意が必要です。
以下に解説します。
Aの心身の不調の原因がCの言動であることが推察される状況であるため、ハラスメント相談窓口の援助を紹介するのはAの症状軽快のために適切な対応のひとつとなります。
Aの職場に対する気持ちを把握しておくことは、今後の対応策を検討するうえで、社内の心理相談室に勤務する公認心理師の採る初期対応として適切なものです。
Aの心身の不安定な状態が社内の環境に基づくものだと推察される以上、産業医と連携して援助にあたることは適切な対応になります。
Aの症状改善のために、職場環境に対する何らかのアプローチも必要になる可能性があります。
軽々に連携するのではなく、まず必要性について検討することは公認心理師として求められる対応になります。
事実関係の調査は必要な対応のひとつですが、聞き取りの結果Cの言動がパワーハラスメントであることが事実だったとして、それをAに伝えることでCの言動が改善したりAの心身状態が軽快する要因になるかどうかには疑問が残ります。
また、その事実を伝えることがAの利益となると判断できる情報(Aが過剰に自分を責めてしまっている等)も問題文中にないことから、適切な対応ではありません。
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