一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科4(構造) 問81
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問題
一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科4(構造) 問81 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄筋コンクリート部材のせん断耐力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱梁接合部のせん断耐力は、一般に、取り付く大梁の梁幅を大きくすると大きくなる。
- 柱梁接合部のせん断耐力は、一般に、取り付く大梁の主筋量を増やすと大きくなる。
- 柱のせん断耐力は、一般に、柱に作用する軸方向圧縮力が大きいほど大きくなる。
- 柱のせん断耐力は、一般に、帯筋に降伏強度の高い高強度鉄筋を使用すると大きくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
柱梁接合部のせん断耐力は、接合部の形状、コンクリートの許容せん断応力度、接合部の有効幅、柱せいによって決まります。
計算式:(柱梁接合部のせん断耐力)=(接合部の形状による)×〔(コンクリートの短期許容せん断応力度)-0.5〕×(接合部の有効幅)×(柱せい)より、
柱梁接合部において、取り付く大梁の梁幅を大きくすると、せん断耐力は大きくなります。
2.誤りです。
柱梁接合部のせん断耐力は、接合部の形状、コンクリートの許容せん断応力度、接合部の有効幅及び柱せいで決まり、帯筋量や主筋量は影響しません。
3.設問の通りです。
鉄筋コンクリート柱は、柱部材に作用する軸方向の圧縮力が大きいほど、せん断耐力は大きくなります。
一方、圧縮側コンクリートの破壊により、変形が小さなうちに急激な耐力低下を生じ、脆性破壊しやすくなるため、柱の靭性能は低下します。
4.設問の通りです。
鉄筋コンクリート柱の許容せん断力は、長期の場合、コンクリートがせん断ひび割れを生じないように定められるため、帯筋の耐力を無視するが、短期においては、帯筋の耐力も考慮するので、帯筋に高強度鉄筋を用いると短期許容せん断力は大きくなります。終局せん断力も短期と同様に大きくなります。このため、一般に、帯筋に高強度鉄筋を用いると、柱のせん断体力は大きくなるといえます。
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02
梁幅は、接合部の有効幅に関係します。
2 ×
帯筋・主筋には影響しません。
3 〇
RC柱は、軸方向圧縮力が大きいと、せん断耐力は大きくなります。
4 〇
帯筋に高強度鉄筋を用いて、柱のせん断耐力を高めると、靭性を高めることができます。
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03
柱梁接合部は、柱と梁が交わる部分です。取り付く大梁の梁幅を大きくすると、せん断耐力は大きくなります。
2.誤り。
梁端部の主筋が多いほど、材料強度が高いほど、設計用せん断力は大きくなります。
3.設問の通り。
柱部材に作用する軸方向の圧縮力が大きいほど、せん断ひび割れ強度(せん断耐力)は大きくなります。
一方、ひび割れ発生後は人生に乏しい急激な破壊を生じやすので、柱の靭性能は低下します。
4.設問の通り。
柱のせん断耐力は帯筋の間隔を密にする他、帯筋に降伏強度の高い高強度鉄筋を使用すると大きくなります。
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