一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科4(構造) 問85
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問題
一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科4(構造) 問85 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱にH形断面材を用いる場合、強軸方向をラーメン構造、弱軸方向をブレース構造とすることが多い。
- 大梁にH形断面材を用いる場合、梁端部のフランジに水平ハンチを設けることにより、梁端接合部に作用する応力度を減らすことができる。
- 床面の水平せん断力を伝達するために小梁と水平ブレースによりトラス構造を形成する場合、小梁は、軸力を受ける部材として検討する必要がある。
- ベースプレートの四周にアンカーボルトを用いた露出柱脚とする場合、曲げモーメントは生じないものとし、軸力及びせん断力に対して柱脚を設計する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.設問の通り。
H形断面材の主軸のうち、強軸に関する曲げ抵抗はは最大で、弱軸に対する曲げ抵抗は最低である。そのため、H形断面材は、強軸のみに曲げを受ける部材に適している。したがって柱材には、H形断面材の場合、一般に強軸方向をラーメン構造とし、弱軸方向をブレース構造とすることが多い。
2.設問の通り。
梁接合部での早期破壊を防ぐための方法の一つです。梁端接合部にハンチやリブを付けることによって断面を増やし、作用する応力を減らすことができます。
3.設問の通り。
鉄骨構造の床面は、剛床として作用した水平力を各骨組に伝える役割を担っています。剛床とするには、水平ブレースや小梁などを床面に配置し、ブレース構造を作る方法があります。よって、トラスを構成する小梁は軸力を受ける部材として検討する必要があります。
4.誤り。
露出柱脚の回転剛性は、半剛性として算定します。軸方向力と曲げモーメントはベースプレートとアンカーボルトを介して基礎に伝達されるように設計し、せん断力はベースプレート下面とモルタル又はコンクリートとの摩擦力、又はアンカーボルトの抵抗力により伝達されるように設計します。
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02
断面係数の大きい強軸方向をラーメン構造とし、曲げ耐力が小さい弱軸方向をブレース構造とするのは合理的です。
2.設問の通りです。
大梁にH形断面材を用いる場合、梁端接合部にハンチを設けると梁端部の断面が増え、接合部に作用する応力度を減らすことができます。
3.設問の通りです。
床面の水平剛性を確保するために水平ブレースを設けるにあたり小梁が存在する場合、小梁とブレースによりトラスが形成されるので、小梁には軸力が生じます。
4.誤りです。
柱脚の形式を露出型とする場合、軸方向力、せん断力だけでなく、曲げモーメントも考慮して設計します。
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03
曲げ耐力が小さい弱軸方向をブレース構造、断面係数の大きい強軸方向をラーメン構造です。
2 〇
水平ハンチによる梁端接合部の応力度低減はできます。
3 〇
小梁とブレースでトラスを作ると、小梁には軸力が生じます。
4 ×
設計用曲げモーメントの計算を行わなければならない。
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