一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科5(施工) 問122

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問題

一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科5(施工) 問122 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 柱の鋼板巻き立て補強において、鋼板を角形に巻くこととしたので、コーナー部の曲げ内法半径については、鋼板の板厚の2倍とした。
  • 独立した矩形柱の炭素繊維シートによる補強工事において、シートの水平方向のラップ位置については、構造的な弱点をなくすために、柱の同一箇所、同一面とならないようにした。
  • あと施工アンカー工事において、接着系アンカーの埋込み時に接着剤がコンクリート表面まであふれ出てこなかったので、直ちにアンカー筋を引き抜き、カプセルを追加して接着剤があふれ出るようにアンカー筋を埋め込んだ。
  • 鉄筋コンクリート壁の増打ち壁において、シアコネクタの設置位置は、特記がなかったので、D13の異形鉄筋による「あと施工アンカー」を用い、縦横30~50cm程度の間隔とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.[誤]
鋼板巻立て補強は厚さ4.5~9mmの鋼板を柱に巻き、隙間に高流動モルタルを充填する工法です。形状は円形または角形とし、角形の場合は曲げ内法半径は板厚の3倍以上とします。
設問では2倍とあるため誤りです。
2.[正]
炭素繊維シート補強はエポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維シートを柱に巻き付ける工法です。ラップ位置は構造的な弱点となるため集中しないよう位置をできる限りずらすようにします。
3.[正]
接着系アンカーの接着剤は確実に充填するため孔から接着剤があふれ出ることを確認します。
4.[正]
増打ち壁においては増打ち壁と既存壁の一体性を確保するために縦横30~50cm程度の間隔でシアコネクターを設けます。

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02

1. 誤り
 柱の鋼板巻き立て補強において、
 鋼板のコーナー部の曲げ内法半径は
 板厚の3倍以上とします。

2. 設問の通り
 ラップ位置が同一面に集中すると、
 構造上の弱点となるため各面へ分散させます。

3. 設問の通り

4. 設問の通り
 増打ち壁と既存の壁との一体性を増し、
 剥離を防ぐためのものです。
 一般には縦横30〜50㎝程度の間隔で、
 D10〜13の異形鉄筋によるあと施工アンカーを用います。

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03

1.誤りです。
建築改修工事監理指針により、鋼板の形状は円形または角形とし、角形の場合には角部に内法半径が板厚の3倍以上の曲面を設けます。鋭角な部分で応力の集中が生じ、鋼板に損傷を与えてしまうからです。
2.設問通り、適当です。
3.設問通り、適当です。
4.設問通り、適当です。

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