一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科2(環境・設備) 問9

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は吸音・遮音に関する問題です。

音の特性をしっかり理解する必要があります。

選択肢1. 壁の音響透過損失を10dB増加させるためには、壁の音響透過率を現状の1/10にする必要がある。

正しいです。

音響透過損失とは、壁体の遮音性能を示すものであり、壁の音響透過損失(TL)を10dB増加させたければ壁の音響透過率(τ)を1/10にする必要があります。

( TL = 入射音のエネルギー/透過音のエネルギー = 10log101/τ の式を用いて求めます。)

選択肢2. 空港等の公共施設においては、吸音処理を行うことで、放送音声の聞こえやすさを確保することができる。

正しいです。

公共施設には室内騒音の許容値が定められています。

放送音声の聞こえやすさのために吸音処理を行うことは有効です。

選択肢3. 学校等の施設においては、周囲に生垣や並木等の植栽を設けることで、騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる。

誤りです。

生垣や並木は騒音に対する心理的緩和には効果がありますが、物理的には効果は小さいです。

選択肢4. 剛壁に密着させて設置する多孔質吸音材料を厚くすると、一般に、低周波数域における吸音率が上昇する。

正しいです。

多孔質吸音材料は低音域の吸音率は小さいですが、厚さを増すと低音域の吸音率が増加します。

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02

吸音・遮音に関する問題です。

選択肢1. 壁の音響透過損失を10dB増加させるためには、壁の音響透過率を現状の1/10にする必要がある。

正しいです。

音響透過損失とは、壁体の遮音性能を示すものです。

式は下記の通りです。

 TL = 入射音のエネルギー / 透過音のエネルギー = 10log101 / T

壁の音響透過損失(TL)を10dB増加させたい場合、壁の音響透過率(τ)を1/10にする必要があります。

選択肢2. 空港等の公共施設においては、吸音処理を行うことで、放送音声の聞こえやすさを確保することができる。

正しいです。

空港などの公共施設においては、室内騒音の許容値が定められています。

吸音処理を行うことで、放送音声の聞こえやすさを確保することが有効です。

選択肢3. 学校等の施設においては、周囲に生垣や並木等の植栽を設けることで、騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる。

誤りです。

生垣や並木は騒音に対する心理的緩和には効果があります。

物理的には効果は小さいです。

選択肢4. 剛壁に密着させて設置する多孔質吸音材料を厚くすると、一般に、低周波数域における吸音率が上昇する。

正しいです。

多孔質吸音材料は低音域の吸音率は小さいです。

しかし、厚さを増すと低音域の吸音率が増加します。

まとめ

音の特性について学習しましょう。

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03

この問題は音響に関する問題です。

選択肢1. 壁の音響透過損失を10dB増加させるためには、壁の音響透過率を現状の1/10にする必要がある。

正解です。

壁の透過率を小さくし、音を透過しにくくすると、透過損失が増加します。壁の透過率を1/10にすると、透過音の「音の強さ」は1/10になり、「透過音の音の強さのレベル」は10dBになります。

選択肢2. 空港等の公共施設においては、吸音処理を行うことで、放送音声の聞こえやすさを確保することができる。

正解です。

残響時間が長くなりがちな、容積の大きい空間や固い材料による内装空間などは、吸音処理を行うと、騒音レベルの低減や、残響時間の短縮による音声明瞭度の向上が可能です。

選択肢3. 学校等の施設においては、周囲に生垣や並木等の植栽を設けることで、騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる。

誤りです。

学校において、生け垣や並木は、騒音源を視覚的に遮る効果はあるが、騒音を減衰させる物理的効果はほとんど期待できません。外部騒音の侵入を防ぐためには、防音塀の設置等が効果的です。

選択肢4. 剛壁に密着させて設置する多孔質吸音材料を厚くすると、一般に、低周波数域における吸音率が上昇する。

正しいです。

剛壁にグラスウール等の多孔質吸音材料を密着させて設置する場合、その吸音材料を厚くすると、一般に低周波数域における吸音率が大きくなります。

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