一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科2(環境・設備) 問15

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科2(環境・設備) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 公共下水道が合流式である地域においては、害虫や臭気等の侵入防止を目的として、雨水排水はトラップますを介して一般排水系統の敷地排水管に接続する。
  • 管径200mmの敷地排水管の排水ますは、起点、屈曲点、合流箇所、ます の間隔が24m以内となるような位置等に設ける。
  • 雨水排水管径の算定に用いる雨量に最大雨量の1時間値を用いることは、10分間値を用いた場合よりも排水管径は大きくなるので、局地的な集中豪雨への対策として有効である。
  • サイホン式雨水排水システムは、特殊な形状のルーフドレンによりサイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水する方式で、一般に、従来方式に比較して雨水たてどいの口径を小さくすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は給排水衛生設備に関する問題です。

排水桝の仕組みをしっかり理解しておきましょう。

選択肢1. 公共下水道が合流式である地域においては、害虫や臭気等の侵入防止を目的として、雨水排水はトラップますを介して一般排水系統の敷地排水管に接続する。

正しいです。

排水が合流式である地域においては、雨水排水はトラップ桝を介して一般排水系統の敷地排水管に接続します。

これは害虫や臭気等の侵入防止を目的としています。

選択肢2. 管径200mmの敷地排水管の排水ますは、起点、屈曲点、合流箇所、ます の間隔が24m以内となるような位置等に設ける。

正しいです。

排水桝間の最長距離は配管径の120倍以内と定められています。

よって、200mm×120 = 24,000mm(= 24m)以内となります。

選択肢3. 雨水排水管径の算定に用いる雨量に最大雨量の1時間値を用いることは、10分間値を用いた場合よりも排水管径は大きくなるので、局地的な集中豪雨への対策として有効である。

誤りです。

基準雨量の1時間値としては100mm/h、10分間値としては25mm(→ 150mm/h)が妥当であり、1時間値よりも10分間値の方が雨量は多くなる傾向があります。

そのため、最大雨量の10分間値を用いた方が排水管径は大きくなり集中豪雨への対策として有効です。

選択肢4. サイホン式雨水排水システムは、特殊な形状のルーフドレンによりサイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水する方式で、一般に、従来方式に比較して雨水たてどいの口径を小さくすることができる。

正しいです。

サイホン式雨水排水システムとは特殊なルーフドレンを使用し、排水管内部を意図的に満水状態にすることでサイホン作用を生じさせて排水するシステムです。

従来方式と比較して雨水縦樋の口径を小さくすることができるというメリットがあります。

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02

この問題は給排水衛生設備に関する問題です。

選択肢1. 公共下水道が合流式である地域においては、害虫や臭気等の侵入防止を目的として、雨水排水はトラップますを介して一般排水系統の敷地排水管に接続する。

正解です。

建築物内では雨水排水管と汚水排水管は必ず別系統にしますが、公共下水道が合流式の場合は、敷地内(屋外)でこれらを接続します。この際、雨水排水管への臭気の逆流等を防止するため、雨水排水管にトラップを設けてから、一般排水系統の敷地排水管と排水ます(インバートます)で接続し、最終的に合流式下水道と接続します。

選択肢2. 管径200mmの敷地排水管の排水ますは、起点、屈曲点、合流箇所、ます の間隔が24m以内となるような位置等に設ける。

正解です。

敷地排水管(屋外排水管)の排水ますは、排水管の起点、終点、屈曲点、合流箇所などの要所のほか、管径の120倍以内に1箇所設ける必要があります。径200mm✕120=ますの間隔24m以内であるため適当です。

 

選択肢3. 雨水排水管径の算定に用いる雨量に最大雨量の1時間値を用いることは、10分間値を用いた場合よりも排水管径は大きくなるので、局地的な集中豪雨への対策として有効である。

誤りです。

雨水排水管径の算定において、最大雨量の1時間値とは1時間ごとに区切った最大雨量です。一方、10分間値とは10分間ごとに区切った、10分間のピークとなる最大雨量であり、6倍して1時間値に換算すると、1時間値よりも大きくなります。10分間値を用いる方が最大雨量が大きくなり、排水管径は大きくなるので、局地的な集中豪雨への対策として有効です。

選択肢4. サイホン式雨水排水システムは、特殊な形状のルーフドレンによりサイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水する方式で、一般に、従来方式に比較して雨水たてどいの口径を小さくすることができる。

正解です。

サイホン現象とは、管内を満水が流れる際に吸引されて多量の水が吸い出される現象を言います。サイホン式雨水排水システムは、特殊な形状のルーフドレン等により満水によるサイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水する方式で、一般に、従来方式よりも雨水たてどいの口径を小さくできます。
 

 

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03

給排水衛生設備に関する問題です。

選択肢1. 公共下水道が合流式である地域においては、害虫や臭気等の侵入防止を目的として、雨水排水はトラップますを介して一般排水系統の敷地排水管に接続する。

正しいです。

公共下水道が合流式である地域においては、害虫や臭気等の侵入を防止するため、雨水排水はトラップ桝を介して一般排水系統の敷地排水管に接続します。

選択肢2. 管径200mmの敷地排水管の排水ますは、起点、屈曲点、合流箇所、ます の間隔が24m以内となるような位置等に設ける。

正しいです。

排水桝間の最長距離は以下ように定められています。

 配管径 × 120倍以内

よって、200mm × 120 = 24,000mm = 24m 以内となります。

選択肢3. 雨水排水管径の算定に用いる雨量に最大雨量の1時間値を用いることは、10分間値を用いた場合よりも排水管径は大きくなるので、局地的な集中豪雨への対策として有効である。

誤りです。

基準雨量の1時間値、10分間値は以下が妥当です。

 1時間値:100mm/h

 10分間値:25mm → 150mm/h

よって、1時間値より10分間値の方が雨量は多くなる傾向があるため、最大雨量の10分間値を用いた方が排水管径は大きくなり集中豪雨への対策として有効です。

選択肢4. サイホン式雨水排水システムは、特殊な形状のルーフドレンによりサイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水する方式で、一般に、従来方式に比較して雨水たてどいの口径を小さくすることができる。

正しいです。

サイホン式雨水排水システム

特殊な形状のルーフドレンを使用することで、サイホン現象を発生させ、多量の雨水を排水するシステムです。

従来方式と比較して雨水竪樋の口径を小さくすることができます。

まとめ

排水桝の仕組みを学習しましょう。

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