一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科3(法規) 問6

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科3(法規) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

耐火建築物等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の認定等は考慮しないものとする。
  • 準防火地域内において、延べ面積1,600m2、地下1階、地上3階建ての事務所を新築する場合は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。
  • 耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、当該室の用途及び床面積並びに当該室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出する。
  • 防火地域及び準防火地域以外の区域内において、延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合は、耐火建築物としなければならない。
  • 延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗(耐火建築物以外のもの)は、その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、当該部分が構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は耐火建築物等の建築基準法上の問題です。

法27条の内容や耐火性能に関する技術的基準の内容をよく理解する必要があります。

選択肢1. 準防火地域内において、延べ面積1,600m2、地下1階、地上3階建ての事務所を新築する場合は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

正しいです。

令第136条の2第一号により、準防火地域内にある建築物で延べ面積が1500㎡を超えるものは、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければなりません。

選択肢2. 耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、当該室の用途及び床面積並びに当該室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出する。

正しいです。

令第108条の3第2項第一号により、耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出します。

選択肢3. 防火地域及び準防火地域以外の区域内において、延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合は、耐火建築物としなければならない。

誤りです。

法第27条第1項第一号により、延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合、主要構造部は所定の技術的基準に適合するもので、外壁の開口部は所定の防火設備を設けなければなりません。

必ずしも耐火建築物とする必要はありません。

選択肢4. 延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗(耐火建築物以外のもの)は、その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、当該部分が構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。

正しいです。

法第27条第1項第一号、令第110条第一号イにより、延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗は、その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければなりません。

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02

耐火建築物等の建築基準法上の問題です。

選択肢1. 準防火地域内において、延べ面積1,600m2、地下1階、地上3階建ての事務所を新築する場合は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

正しいです。

令第136条の2第1号より

準防火地域内にある建築物で延べ面積が1500㎡を超えるものは

耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければなりません。

選択肢2. 耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、当該室の用途及び床面積並びに当該室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出する。

正しいです。

令第108条の3第2項第1号より

耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出します。


 

選択肢3. 防火地域及び準防火地域以外の区域内において、延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合は、耐火建築物としなければならない。

誤りです。

法第27条第1項第1号より

延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合は

主要構造部は所定の技術的基準に適合するもので、外壁の開口部は所定の防火設備を設けなければなりません。

以上より、耐火建築物でなくても構いません。

選択肢4. 延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗(耐火建築物以外のもの)は、その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、当該部分が構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。

正しいです。

法第27条第1項第1号令第110条第1号イより

延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗

その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければなりません。

まとめ

法27条の内容や耐火性能に関する技術的基準の内容を学習しましょう。

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03

この問いは防火関係規定に関する問題です。

選択肢1. 準防火地域内において、延べ面積1,600m2、地下1階、地上3階建ての事務所を新築する場合は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

正解です。

法61条及び令136条の2第一号により、準防火地域内では、地階を除く階数が4以上又は延べ面積1,500m²を超える建築物は、「耐火建築物(同号イ)」又は「これと同等以上の延焼防止時間となる建築物(同号ロ)」としなければなりません。事務所は特殊建築物ではないため、法27条の適用はありません。

選択肢2. 耐火性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量は、当該室の用途及び床面積並びに当該室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出する。

正解です。

令108条の3第2項一号により、耐水性能検証法における建築物の各室内の可燃物の発熱量Qrは、〔当該室の用途及び床面積〕並びに〔当該室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の表面積及び当該部分に使用する建築材料の種類〕に応じて国土交通大臣が定める方法により算出します。

選択肢3. 防火地域及び準防火地域以外の区域内において、延べ面積2,000m2、地上3階建ての図書館を新築する場合は、耐火建築物としなければならない。

誤りです。

115条の3第二号により、図書館は法別表1(3)項に該当し、設問は同表(ろ)欄及び(は)欄に該当します。、法27条1項一号及び二号に該当するため、令110条一号による「特定避難時間に基づく準耐火建築物」又は同条二号による「耐火建築物」としなければならないです。したがって、耐火建築物以外とすることはできません。

選択肢4. 延べ面積600m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗(耐火建築物以外のもの)は、その主要構造部に通常の火災による火熱が所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)加えられた場合に、当該部分が構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。

正解です。

15条の3第三号により、物品販売業を営む店舗は法別表1(4)項に該当し、設問は同表(ろ)欄に該当します。法27条1項一号に該するため、110条一号による「特定避難時間に基づく準耐火建築物」又は同条二号による「耐火建築物」としなければなりません。設問は「耐火建築物以外」という条件なので、110条一号イにより、主要構造部に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後、所定の特定避難時間(屋根及び階段は30分間)、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければなりません。

 

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