一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

この過去問の解説 (2件)

01

杭の工法は様々な種類があり覚えにくいですが、

杭基礎に関する問題は施工でも出題されますので合わせて効率よく覚えていきましょう。

選択肢1. 重要な建築物等の基礎の設計においては、法令上の要求のほかに大地震後の継続使用性等を目標とする場合、液状化などの地盤変動の可能性を考慮して、必要に応じ、終局時の状況を想定した検討を行う。

正。設問の通りです。

選択肢2. 杭1本当たりの鉛直荷重が等しい場合、杭の沈下量の大小関係は、一般に、「単杭」<「群杭」である。

「群杭」とは密集している複数の杭のことで、

杭の支持力、抵抗、変位、変形に対して杭相互の影響を受けます。

一方、杭の間隔が広く、周りの杭の影響を受けない杭を「単杭」といいます。
群杭は、全体が一つのかたまりとなって動くので、

底面積が大きな基礎と同様に、圧縮力が及ぶ応力伝達範囲が大きくなり、

地盤の沈下量が大きくなります。

選択肢3. 杭先端の地盤の許容応力度の大小関係は、一般に、「打込み杭」<「セメントミルク工法による埋込み杭」<「アースドリル工法等による場所打ちコンクリート杭」である。

誤。

正しくは、

「打込み杭」>「セメントミルク工法による埋込み杭」>「アースドリル工法等による場所打ちコンクリート杭」

となります。

選択肢4. 砂質地盤における杭の極限周面抵抗力度の大小関係は、一般に、「打込み杭」<「場所打ちコンクリート杭」である。

正。

打込み杭の表面はツルツルしているので、杭の極限周面抵抗力度は小さく、

逆に場所打ちコンクリート杭の表面はザラザラしているので

杭の極限周面抵抗力度は大きくなります。

参考になった数8

02

この問題は杭基礎等に関する問題です。杭の種類と特徴をしっかり理解しましょう。

選択肢1. 重要な建築物等の基礎の設計においては、法令上の要求のほかに大地震後の継続使用性等を目標とする場合、液状化などの地盤変動の可能性を考慮して、必要に応じ、終局時の状況を想定した検討を行う。

正しいです。

基礎の設計において大地震後の継続使用等を目標とする場合、地盤変動の可能性を考慮して必要に応じ、終局時の状況を想定した検討が必要となります。

選択肢2. 杭1本当たりの鉛直荷重が等しい場合、杭の沈下量の大小関係は、一般に、「単杭」<「群杭」である。

正しいです。

群杭は沈下に影響する地盤の範囲が深いため、群杭の沈下量は単杭の沈下量よりも大きいです。

選択肢3. 杭先端の地盤の許容応力度の大小関係は、一般に、「打込み杭」<「セメントミルク工法による埋込み杭」<「アースドリル工法等による場所打ちコンクリート杭」である。

誤りです。

杭先端の地盤の許容応力度は「アースドリル工法等による場所打ちコンクリート杭」、「セメントミルク工法による埋込杭」、「打込み杭」の順で大きくなります。「打込杭」や「埋込杭」は打込む際に支持地盤が締め固められるためです。

選択肢4. 砂質地盤における杭の極限周面抵抗力度の大小関係は、一般に、「打込み杭」<「場所打ちコンクリート杭」である。

正しいです。

砂質地盤の杭の極限周辺抵抗力度は「打込杭」よりも「場所打ちコンクリート」の方が大きいです。「場所打ちコンクリート」の面に凹凸があるためです。

参考になった数0