一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問6
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問題
一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科5(施工) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 親杭横矢板壁は、砂礫地盤における施工が可能であるが、遮水性は期待できないので、地下水位の高い地盤では排水工法を併用する必要がある。
- 逆打ち工法は、躯体強度が発現する前の地下躯体を支保工として利用するので、軟弱地盤における深い掘削には適さない。
- 地盤アンカー工法は、不整形な掘削平面の場合や傾斜地等で偏土圧が作用する場合に有効であり、切梁がないので施工効率の向上が期待できる。
- 軟弱な粘性土地盤の掘削工事において、ヒービングの発生が事前に予測された場合の対策として、剛性の高い山留め壁を良質な地盤まで根入れすることにより背面地盤の回り込みを抑える方法がある。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は土工事及び山留め工事に関する問題です。山留め工事のそれぞれの工法の種類と特徴はしっかり理解しておきましょう。
正しいです。
親杭横矢板工法は止水性がないため地下水の高い軟弱地盤には適さないですが、砂質地盤に施工可能です。
誤りです。
逆打ち工法は1階床と梁部分を先行して構築し、順次下部の掘削を行い躯体を構築する工法のため、躯体を山留め壁に利用することができ、軟弱地盤にも適します。
正しいです。
地盤アンカー工法は地盤に埋め込んだアンカーの抵抗力により、山留壁を引っ張り固定する工法です。傾斜地等の偏土圧が作用する場所に有効であり、切梁が不要のため作業効率が高くなります。
正しいです。
ヒービングとは土の重量によりすべり破壊が生じ、掘削地盤の底面が膨れ上がる現象です。剛性の高い山留壁を良質な地盤まで根入れすることはヒービングの防止策として有効です。
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02
土工事に関しては、土の性質(砂質土、粘性土)や地盤沈下、
液状化現象、擁壁に対する受動土圧・主動土圧などがよく出題されます。
山留め工事に関しては、工法ごとに特徴をまとめておくと覚えやすいです。
山留め工事によって発生する異常現象(ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ)
などについても学習しておきましょう。
正。設問の通りです。
親杭横矢板工法とは、H形鋼やI形鋼などの親杭を山留め壁線上に所定の間隔で建て込み、
その杭の間に木製の板を差し込んで山留め壁を形成する工法です。
このため、止水性はありません。
誤。
逆打ち工法は、山留め壁を設けた後に本体構造の1階床を築造して山留め壁を支え、
地下各階床、梁を支保工にして順次掘り下げながら
同時に地上部の躯体工事も進めていく工法です。
一気に深く掘ることがないので軟弱地盤にも適しています。
正。設問の通りです。
地盤アンカー工法とは、重機で孔をあけ、
その先端にアンカー体を設けて、
引張材を介して山留め壁に作用する側圧を
アンカーの引き抜き抵抗によって支える工法です。
切梁の代わりにアンカー体を使用するため、
作業スペースを広くとることができ、
施工効率の向上が期待できます。
正。設問の通りです。
ヒービングとは、軟弱地盤における掘削工事で、
土留め壁の背面の土が内側に回り込んで掘削地盤の底面が押し上げられる現象のことです。
ヒービング対策として、剛性の高い山留め壁を良質な地盤まで根入れすることは有効です。
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