一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問10

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科5(施工) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

計画供用期間の級が「標準」の建築物に使用するコンクリートの計画調合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 普通コンクリートの調合管理強度は、設計基準強度又は耐久設計基準強度のうち大きいほうの値に、構造体強度補正値を加えた値とした。
  • 普通ポルトランドセメントを用いた普通コンクリートの水セメント比の最大値については、65%とした。
  • 粒形が角張って実積率の小さい粗骨材を用いたので、標準的な実積率の粗骨材を用いた場合に比べて、所定のスランプを得るために単位水量を小さくした。
  • 普通コンクリートの単位セメント量の最小値については、270kg/m3とした。

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この過去問の解説 (2件)

01

コンクリートの計画調合に関する問題では、

計画供用期間、コンクリートの種類、AE材の有無など、

条件によって当てはまる数値が変わりますので、

情報を整理しながら間違えないように正確に覚えましょう。

 

計画供用期間とは耐用年数のことで、計画供用期間の級は、

短期(30年程度)

標準(50年程度)

長期(100年程度)

超長期(200年程度)

の4種類があります。

計画供用期間の級によって、耐久設計基準強度が変わります。

選択肢1. 普通コンクリートの調合管理強度は、設計基準強度又は耐久設計基準強度のうち大きいほうの値に、構造体強度補正値を加えた値とした。

正。設問の通りです。

設計基準強度又は耐久設計基準強度のうち大きいほうの値→品質基準強度となります。

品質基準強度に構造体強度補正値を加えた値を調合管理強度とします。

 

調合管理強度:標準養生の供試体の強度が満たすべき強度

設計基準強度:構造設計で採用された強度

耐久設計基準強度:計画供用期間の級によって定められている強度

構造体強度補正値:標準養生の供試体と構造体コンクリートとの強度の差

選択肢2. 普通ポルトランドセメントを用いた普通コンクリートの水セメント比の最大値については、65%とした。

正。設問の通りです。

なお、低熱ポルトランド・混合セメントB種を用いる場合は60%になります。

また、計画供用期間の級が超長期の場合のポルトランドセメントの水セメント比は55%となります。

選択肢3. 粒形が角張って実積率の小さい粗骨材を用いたので、標準的な実積率の粗骨材を用いた場合に比べて、所定のスランプを得るために単位水量を小さくした。

誤。

実績率が小さいということは、粒と粒の間の隙間が大きいということです。

実積率が大きいものほどスランプが大きくなります。

単位水量は大きいほどスランプが大きくなるので、

所定のスランプを得るためには標準的な実積率の粗骨材を用いる場合に比べて、

単位水量を「大きく」しなければなりません。

選択肢4. 普通コンクリートの単位セメント量の最小値については、270kg/m3とした。

正。設問の通りです。

なお、高性能AE剤を使用する場合は290kg/m3

軽量コンクリートを使用する場合は320kg/m3以上になります。

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02

この問題はコンクリート工事に関する問題です。コンクリート工事は数値をしっかり覚える必要があるため、繰り返し学習することが大切です。

選択肢1. 普通コンクリートの調合管理強度は、設計基準強度又は耐久設計基準強度のうち大きいほうの値に、構造体強度補正値を加えた値とした。

正しいです。

普通コンクリートの調合管理強度は設計規準強度又は耐久設計基準強度のうち大きい方の値に構造体強度補正値を加えた値とします。

選択肢2. 普通ポルトランドセメントを用いた普通コンクリートの水セメント比の最大値については、65%とした。

正しいです。

普通ポルトランドセメント用いた普通コンクリートの水セメント比は計画供用期間が標準の場合、65%を最大値とします。

選択肢3. 粒形が角張って実積率の小さい粗骨材を用いたので、標準的な実積率の粗骨材を用いた場合に比べて、所定のスランプを得るために単位水量を小さくした。

誤りです。

実積率の小さい粗骨材を用いる場合、所定のスランプを得るために単位水量を大きくする必要があります。

選択肢4. 普通コンクリートの単位セメント量の最小値については、270kg/m3とした。

正しいです。

普通コンクリートの単位セメント量は270kg/㎥以上とします。

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