一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問15

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科5(施工) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

木造軸組工法における木工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 梁などの横架材については、木材の背を上端にして使用した。
  • 防腐剤が加圧注入されている防腐処理材を用いた土台を、工事現場でやむを得ず加工した面については、再度、防腐処理をして使用した。
  • 土台の継手は、柱及び床下換気口の位置を避け、土台の継手付近に設けるアンカーボルトは、その継手の上木端部付近となるように設置した。
  • 大壁造の壁倍率3.7の構造用合板を用いた耐力壁については、CN50釘で外周部を150mm間隔で打ち留めた。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は木造軸組工法における木工事に関する問題です。木材の性質を理解した上で過去問を学習することがポイントです。

選択肢1. 梁などの横架材については、木材の背を上端にして使用した。

正しいです。

木材には「腹」と「背」があり年輪密度の低い側が「腹」、高い側が「背」です。横架材は「背」を上端にし、横架材がたわまないように施工します。

選択肢2. 防腐剤が加圧注入されている防腐処理材を用いた土台を、工事現場でやむを得ず加工した面については、再度、防腐処理をして使用した。

正しいです。

防腐剤の処理がされた木材において処理された面をやむをえず工事現場で加工した場合、再度防腐処理をすることが必要です。

選択肢3. 土台の継手は、柱及び床下換気口の位置を避け、土台の継手付近に設けるアンカーボルトは、その継手の上木端部付近となるように設置した。

正しいです。

土台の継手は柱及び換気口を避け、アンカーボルトは継手の上木端部付近に設置します。

選択肢4. 大壁造の壁倍率3.7の構造用合板を用いた耐力壁については、CN50釘で外周部を150mm間隔で打ち留めた。

誤りです。

大壁造の高壁倍率(3.7倍等)である構造用合板を用いた外周部の耐力壁の釘は、CN50釘で間隔は75mmとします。

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02

木造軸組工法における木工事に関する問題では

、木材の性質や接合金物、継手、構造用合板等の釘打ちについてなどが問われます。

実務で木工事に関わっていない方は、合わせてインターネット検索などで

写真を確認すると文字だけで覚えるよりも理解が深まります。

選択肢1. 梁などの横架材については、木材の背を上端にして使用した。

正。

木材には背と腹があり、日当たりが良い側が背、反対側を腹と呼んでいます。

日当たりが良いと年輪の間隔が広く、白っぽくなります。

木は背を凸にして反ろうとする性質があるため、

荷重を受けるために背を上にして使用します。

反対に、土台に使用するときは腹を上にします。

背が上になっていると、束が浮き上がってしまうからです。

選択肢2. 防腐剤が加圧注入されている防腐処理材を用いた土台を、工事現場でやむを得ず加工した面については、再度、防腐処理をして使用した。

正。設問の通りです。

地盤面から高さ1m以内の範囲には防腐防蟻処理が必要です。

工場処理された防腐処理剤を現場加工すると防腐処理されていない面が露出してしまうため、

必ず再度防腐処理をします。

選択肢3. 土台の継手は、柱及び床下換気口の位置を避け、土台の継手付近に設けるアンカーボルトは、その継手の上木端部付近となるように設置した。

正。設問の通りです。

継手には上木と下木があり、上木のほうを締め付けなければ上木が浮いてしまいます。

また、継手を破壊してしまうので継手部分には設けず、120mm程度離して設置します。

選択肢4. 大壁造の壁倍率3.7の構造用合板を用いた耐力壁については、CN50釘で外周部を150mm間隔で打ち留めた。

誤。

壁倍率3.7の場合は、CN50釘で外周部を75㎜以下の間隔で打ち留めます。

ちなみに、壁倍率2.5の場合は、N50釘を150㎜以下の間隔で打ち留めます。

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