第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
法規 問73

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 法規 問73 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。

電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、(ア)のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。

電気さくは、次のaからfに適合するものを除き施設しないこと。

a  田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。
b  電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で(イ)である旨の表示をすること。
c  電気さくは、次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。
   ①電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置
   ②感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって、次のいずれかから電気の供給を受けるもの
   ・電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置
   ・蓄電池、太陽電池その他これらに類する直流の電源
d  電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧(ウ)V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。
   ①電流動作型のものであること。
   ②定格感度電流が(エ)mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること。
e  電気さくに気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。
f  電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、施設しないこと。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • (ア)感電又は火災 (イ)危険   (ウ)100  (エ)15
  • (ア)感電又は火災 (イ)電気さく (ウ)30   (エ)10
  • (ア)損壊     (イ)電気さく (ウ)100  (エ)15
  • (ア)感電又は火災 (イ)危険   (ウ)30   (エ)15
  • (ア)損壊     (イ)電気さく (ウ)100  (エ)10

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:【4】

問題の最初の文書は「電気設備技術基準」の第七十四条から抜粋されています。

ーーーーーー

電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

ーーーーーー

上記により、(ア)は「感電又は火災」となります。

またa~fは「電気設備技術基準の解釈」の第192条【電気さくの施設】(p.209)から引用されている内容となります。

ーーーーーー

第192条 電気さくは、次の各号に適合するものを除き施設しないこと。

 一 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。

 二 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で危険である旨の表示をすること。

 三 電気さくは、次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。

  イ 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置

  ロ 感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって、次のいずれかから電気の供給を受けるもの

   (イ) 電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置

   (ロ) 蓄電池、太陽電池その他これらに類する直流の電源

 四 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧30V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。

  イ 電流動作型のものであること。

  ロ 定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること。

 五 電気さくに電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。

 六 電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、

施設しないこと。

ーーーーーー

上記により、(イ)は「危険」、(ウ)は「30」、(エ)は「15」となります。

以上により、選択肢の【4】が正解となります。

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02

問題文の(ア)ですが「絶縁性がないことを考慮」と記述があるので、物理的な「損壊」ではなく絶縁と関係性の深い、電気的な「感電又は火災」が入ります。

(イ)以降の問題文は「電気設備技術基準の解釈」第192条 「電気さくの施設」より引用されています。

以下、条文です。

電気さくは、次の各号に適合するものを除き施設しないこと。

a 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。

b 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で危険である旨の表示をすること。

c 電気さくは、次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。

① 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置
② 感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって、次のいずれかから電気の供給を受けるもの
・ 電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置
・ 蓄電池、太陽電池その他これらに類する直流の電源

d 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧30V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。

① 電流動作型のものであること。
② 定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること。

e 電気さくに電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。

f 電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、施設しないこと。

以上により、正解は【4】となります。

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03

「電気設備技術基準」(74条)電気さくの施設の禁止に関する記述問題となります。

電気さくとは、高い電圧で充電された裸電線を簡単なさくに取付張り巡らせたもので、使用目的が田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するためとあります。

各空白箇所は次のようになります。

 

(ア)‥感電又は火災

上記に記載しているように野獣の侵入又は家畜の脱出を防止を目的としているため、絶縁性がない事を考慮しなければなりません。その事からも分かるように損壊よりも感電又は火災が適切といえます。

 

(イ)‥危険

電気さくは人が容易に触れる箇所に設置されるケースがあります。高電圧で充電された裸電線という特徴があるので人が接触すると雷撃を受けることもあるので、危険表示の規定を設けています。

 

(ウ)‥30

解釈192条1項(電気さくの施設)四より使用電圧が30V以上の電源から供給を受けるものとあります。

 

(エ)‥15

解釈192条1項(電気さくの施設)四より当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。

イ 電流動作型のものであること

ロ 定格電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること。

 

以上より、各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. (ア)感電又は火災 (イ)危険   (ウ)100  (エ)15

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢2. (ア)感電又は火災 (イ)電気さく (ウ)30   (エ)10

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢3. (ア)損壊     (イ)電気さく (ウ)100  (エ)15

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢4. (ア)感電又は火災 (イ)危険   (ウ)30   (エ)15

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

選択肢5. (ア)損壊     (イ)電気さく (ウ)100  (エ)10

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

まとめ

電気さくについては過去に大きな事故が発生しています。電気に従事される方であれば知識として身につけておいた方がよろしいかと思います。

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