第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
理論 問13
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 理論 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
演算増幅器及びそれを用いた回路に関する記述として、誤っているものを次の選択肢の中から一つ選べ。
- 演算増幅器には電源が必要である。
- 演算増幅器の入カインピーダンスは、非常に大きい。
- 演算増幅器は比較器として用いられることがある。
- 図1の回路は正相増幅回路、図2の回路は逆相増幅回路である。
- 図1の回路は、抵抗RSを0Ωに(短絡)し、抵抗RFを∞Ωに(開放)すると、ボルテージホロワである。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
正解は「5」です。
演算増幅器および演算増幅回路に関する問題です。
演算増幅器はオペアンプと呼ばれています。
◆オペアンプについて
・小さな入力信号を大きな信号として出力する装置です。
・入力信号に増幅度(利得)をかけた値を出力します。
1.正しいです。
・汎用(両電源),単電源,CMOS,レール・ツー・レール等の電源が必要です。
2.正しいです。
・入力インピーダンスは非常に大きい値(理想 ∞[Ω])となります。
・入力インピーダンスが非常に大きく電流が流れませんが,当該端子間は同電位となり仮想短絡(イマジナリーショート)の状態となっています。
・出力インピーダンスは小さい値(理想0[Ω])となります。
3.正しいです。
・比較器は,コンパレータとも呼ばれ,2つの電圧を比較します。
・入力信号と出力信号を比較するため,オペアンプが使用されています。
4.正しいです。
・図1 は,正相増幅回路であり,図2は逆相増幅回路です
・正相増幅回路は非反転増幅回路と呼ばれ,逆相増幅回路は反転増幅回路と呼ばれています。
5.誤りです。(誤:RS 0[Ω]RF ∞[Ω]➡正:RS ∞[Ω]RF 0[Ω])
・ボルテージホワロは入力インピーダンスが大きく,出力インピーダンスが低い特徴があります。
よって,入力抵抗 RS を∞[Ω]とし,出力抵抗 RFを0[Ω]にすると,ボルテージホロワとなります。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
02
正解は5です。
1.→正しいです。
演算増幅器には、2電源方式(正負2つの電源を使用する方法)と、単電源を使用する場合があります。
2電源方式には、下記のような特徴があります。
・汎用性がある。
・電源は正負の「両電源」動作ができる。
・内部構造は、「バイポーラ」または「FET入力タイプ」である。
・発振等が発生しなく、安定に動作する。
単電源には、下記のような特徴があります。
・内部構造は単電源動作が可能な「バイポーラ」である。
・レール・ツー・レール動作(電源電圧+Vcc~-Veeまでの範囲で動作)はしない。
2.→正しいです。
理想の増幅器に近い特性は、下記のようなものとなります。
・入力インピーダンス:非常に大きい(無限大が理想)
・出力インピーダンス:非常に小さい(ゼロが理想)
3.→正しいです。
コンパレータの端子構造は、オペアンプと同様の5端子( +入力端子、−入力端子、正側電源端子、負側電源端子、出力端子)で構成されています。
どちらか一方の入力端子を基準端子とし電圧を固定し、もう一方の端子に入力される電圧の差を増幅し出力する回路です。
オペアンプとコンパレータの違いは、位相補償容量の有無です。
オペアンプは負帰還回路を構成して使用するために、ICの内部に発振防止用の位相補償容量が必要となります。
よってオペアンプをコンパレータとして使用する際は注意が必要です。
4.→正しいです。
図1において、RS=∞、RF=0の時、RSの後ろの接続点は仮想的短絡の状態なので、「入力電圧=RSの後ろの接続点の電圧」となります。
これより、入力電圧Vin、出力電圧Voutとすると、下記のように考えることができます。
RS × IS = Vin
(RS + RF)× IS = Vout
よって、Vin = Voutが成り立つため、正相増幅回路となります。
図2において、RS=∞、RF=0の時、RSの後ろの接続点は仮想的短絡の状態なので、「入力電圧=RSの後ろの接続点の電圧」となります。
これより、入力電圧Vin、出力電圧Voutとすると、下記のように考えることができます。
RS × IS = Vin
−RF× IS = Vout
よって、逆相増幅回路となります。
5.→誤りです。
正相増幅回路の場合、RS = ∞Ω(開放)、RF = 0Ω(短絡)すると、ボルテージホロワです。
ボルテージホロワは、オペアンプを用いた回路です。
出力インピーダンスが高い信号源に低い負荷を接続する時、電圧源と負荷の間にボルテージホロワを接続し、電圧源の変化は負荷に伝わりますが、負荷の変化は電圧源に影響を及ぼさない目的で使用します。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問12)へ
令和2年度(2020年)問題一覧
次の問題(問14)へ