1級電気工事施工管理技士の過去問
平成30年度(2018年)
(旧)平成30年度 問10

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 平成30年度(2018年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

変電所の構成機器に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが必要である。
  • 送油風冷式の変圧器は、油入自冷式に比べて冷却能力が大きい。
  • 負荷時タップ切換変圧器には、切換時に短絡しないように限流抵抗が用いられる。
  • 架空送電線に用いられる遮断器は、近距離線路故障に対する遮断性能が要求される。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが必要である。」です。

選択肢1. 酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが必要である。

酸化亜鉛は非線形特性に優れた素子のため、ギャップレス(直列ギャップを使用しない)避雷器として使われています。従って、1が不適切です。

選択肢2. 送油風冷式の変圧器は、油入自冷式に比べて冷却能力が大きい。

送油風冷式は、送油ポンプと冷却扇を冷却ユニットに取付け、強制的に油と空気を循環させるので冷却効率が優れています。

一方、油入自冷式は、放熱器を用いて、油側、空気側とも自然循環によって熱放散を行います。

従って、送油風冷式が有利になります。

選択肢3. 負荷時タップ切換変圧器には、切換時に短絡しないように限流抵抗が用いられる。

負荷時タップ切換変圧器には、切換時に限流抵抗を用いています。

選択肢4. 架空送電線に用いられる遮断器は、近距離線路故障に対する遮断性能が要求される。

基幹系送電線路に用いられる遮断器は高速度遮断・再投入性能が必要とされています。そして、架空送電線路用の遮断器では、特に、近距離線路故障に対する遮断性能が要求されています。

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02

酸化亜鉛形避雷器とは、それまで広く使用されていた炭化ケイ素素子と直列ギャップ(放電電極)の組み合わせに代わるタイプの避雷器です。

酸化亜鉛形避雷器には、非直線抵抗特性(過電圧サージによる電流だけを放電させ、正常な電圧による電流を流さない)があるため、直列ギャップを設ける必要がありません。

したがって正解は、「酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが必要である。」です。

他の選択肢は、正しく述べています。

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03

変電所の構成機器に関する問題です。

選択肢1. 酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが必要である。

×

酸化亜鉛形避雷器には、直列ギャップが不要という特徴があります。

直列ギャップとは、いつもは避雷器回路を開き、過電圧印加があったときは、火花放電で回路を閉じて特性要素で制限しながら、続流を遮断する避雷器構成要素です。

「直列ギャップが必要である」は、誤りです。

選択肢2. 送油風冷式の変圧器は、油入自冷式に比べて冷却能力が大きい。

送油風冷式は強制循環式で大容量変圧器で使用され、油入自冷式は自然循環式で小中型の変圧器で使用されます。

したがって、送油風冷式の変圧器は、油入自冷式に比べて冷却能力が大きくなります。

選択肢3. 負荷時タップ切換変圧器には、切換時に短絡しないように限流抵抗が用いられる。

負荷時タップ切換によるタップの切換は,隣接するタップ端子間を部分放電してタップ移動動作のため、タップ間の短絡電流制限のために、限流抵抗を用います。

選択肢4. 架空送電線に用いられる遮断器は、近距離線路故障に対する遮断性能が要求される。

近距離線路故障による電流遮断時に,遮断後の高くなった過渡電圧の回復では、開放状態の遮断器線路側端子と地絡点間で往復反射現象が線路上で起きます。

近距離故障対応では、バッファ式ガス遮断器が優れた性能を持っています。

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