1級電気工事施工管理技士の過去問
平成30年度(2018年)
(旧)平成30年度 問20

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 平成30年度(2018年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

電力系統の安定度を向上させるための対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 高速度遮断、高速度再閉路方式を採用する。
  • 長距離送電線に中間開閉所を設置する。
  • 送電線の並列回線数を増やす。
  • 高リアクタンスの変圧器を採用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4 です。

電力系統を安定させるためには、できる限り速やかに、事故回路の切り離しをする・事故回路を迂回した送電をする・早期の回路復旧 が求められます。

1・2・3 で述べている方法は、安定度向上に役立ちます。
・「高速度遮断、高速度再閉路方式の採用する」=早期の復旧
・「長距離送電線の中間開閉所の設置」=事故回路の切り離し
・「送電線の並列回線数を増やす」=迂回送電

一方、変圧器のリアクタンスが大きくなると、無効電流が多くなり、送電ロスなどの要因となります。
そのため、変圧器はできるだけ低リアクタンスのものを使用するほうが、安定度が向上します。

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02

正解は4です。

1.高速遮断と高速再閉路方式により、加速エネルギーを小さくし、減速エネルギーを上げることができます。

2.事故除去後に減速エネルギーは開閉所設置前より増加するので、安定度が向上します。

3.並列回線数を増やすことで安定度が向上します。

4.全体のリアクタンスを小さくすることにより、減速エネルギーが増加し、安定度が向上します。従って、4が不適切です。

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03

電力系統の安定度を向上させる対策に関する問題です。

選択肢1. 高速度遮断、高速度再閉路方式を採用する。

送電系統の安定を高めるために、特に直接影響する事項は、次のことがあります。

高速度遮断と高速度再閉路方式とします。

・制動抵抗による故障時に発電機が加速することを防止します。

・速応励磁方式により、常態での安定度を向上させます。

選択肢2. 長距離送電線に中間開閉所を設置する。

長距離送電線による送電容量増加は、安定度向上対策になります。長距離送電線の場合、事故区間を素早く切り離して、事故区間を限定させて影響を少なくするためには、中間開閉所の増設が対策となります。他には、高速度保護リレーの採用、知ら事故に対する中性点接地方式の採用などが有ります。

選択肢3. 送電線の並列回線数を増やす。

長距離送電線による送電容量増加対策として、送電線の並列回線数を増加して、送電線のリアクタンスを少なくします。

選択肢4. 高リアクタンスの変圧器を採用する。

×

電力系統の送電電圧を維持するために、電圧降下を少なくして電圧変動を押さえます。そのために、発電機や変圧器のリアクタンスを低減します。低インピーダンスの機器を採用は効果的です。

したがって、「高リアクタンスの変圧器を採用」は誤りです。

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