介護福祉士の過去問
第25回(平成24年度)
発達と老化の理解 問74

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問題

介護福祉士国家試験 第25回(平成24年度) 発達と老化の理解 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者の排尿障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。腹圧性尿失禁とは、おなかに力が入ったときにおこる失禁のことです。重い荷物を持ったり、笑ったりしてもおなかに力が入ります。
女性の場合、骨盤底筋という筋肉と関連しています。尿道をしめる働きをするのが骨盤底筋です。老化により、この筋力が低下することで、おなかにちょっとした力がかかると尿漏れしてしまうのです。

各選択肢については以下のとおりです。
1→男性の場合、前立腺肥大で尿路の通過障害がおこりやすくなります。
3→切迫性尿失禁とは、急にトイレに行きたくなり、トイレまで我慢できずに漏らしてしまうことをいいます。男女を問わず、高齢者に多いです。
4→悪寒戦慄とは、発熱の際のぞくぞくする寒気のことです。膀胱炎では起こりません。膀胱炎の特徴は残尿感です。膀胱炎の際の細菌が原因でひどくなった場合に腎盂腎炎を起こすことがあります。腎盂腎炎になると悪寒戦慄を伴います。
5→男性の前立腺がんによる排尿障害は増加しています。

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02

2→女性は老化とともに腹圧性尿失禁を起こしやすくなります。腹圧性尿失禁とは、たまに中高年向けCMでもやっていますが、ちょっと笑ったり重いものをもったりして腹圧をかけた瞬間に少量ずつ尿失禁してしまう症状があります。

1→男性は前立腺の肥大などで尿路の通過障害がおこりやすいです。前立腺肥大が原因で起こる尿失禁を溢流性尿失禁と呼びます。
3→切迫性尿失禁も高齢者には多くなります。
切迫性尿失禁とは、急に尿がしたくなり、我慢できなくて漏れてしまうものをいいます。
4→膀胱炎は悪寒戦慄は伴いません。強い尿意と残尿感が代表的な症状です。
5→男性の前立腺がんは増加傾向にあります。

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03

正解は2です。

高齢者の排尿障害は男女で大きな差があります。

男性には前立腺と陰茎があります。加齢とともに前立腺肥大および前立腺癌の発症率が高まることより尿道に圧がかかりやすい構造になっていること、また陰茎のある分だけ尿道が女性よりもかなり長いことより、排尿困難を生じることが多いです。

以上より、1は誤りです。

女性はもともと尿道が短いことに加え、加齢とともに閉経後のエストロゲン欠乏や骨盤底筋群の弛緩などにより、尿道閉鎖圧の低下や機能的尿道長の低下が生じ、尿失禁をきたす確率が高いです。

尿失禁には

①重たい物を持った時などお腹に力がかかった時に尿が漏れる腹圧性尿失禁

②急に尿がしたくなって我慢できなくなる切迫性尿失禁

③自分ではうまく尿が出せないのに少しずつ漏れてしまう溢流性尿失禁

④排尿機能は正常にもかかわらず、尿路系には異常がないにも関わらず身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる機能性尿失禁

の4種類があります。

このうち、①はほとんどが女性であり、4割を超える2000万人以上がり患しているといわれています。

②は原因不明なことも多いですが、前立腺肥大症や脳血管障害も原因となることがあります。③は前立腺肥大症の男性に多いです。

以上より、2が正解、3と5が誤りであることが判ります。

4⇒膀胱炎では頻尿、排尿時の不快感・痛みなどが主な症状です。膀胱炎の原因となった細菌が逆行性に腎臓まで入ると腎盂腎炎となり、悪寒・戦慄を伴うことがあります。

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