正解は2です。
高齢者の排尿障害は男女で大きな差があります。
男性には前立腺と陰茎があります。加齢とともに前立腺肥大および前立腺癌の発症率が高まることより尿道に圧がかかりやすい構造になっていること、また陰茎のある分だけ尿道が女性よりもかなり長いことより、排尿困難を生じることが多いです。
以上より、1は誤りです。
女性はもともと尿道が短いことに加え、加齢とともに閉経後のエストロゲン欠乏や骨盤底筋群の弛緩などにより、尿道閉鎖圧の低下や機能的尿道長の低下が生じ、尿失禁をきたす確率が高いです。
尿失禁には
①重たい物を持った時などお腹に力がかかった時に尿が漏れる腹圧性尿失禁
②急に尿がしたくなって我慢できなくなる切迫性尿失禁
③自分ではうまく尿が出せないのに少しずつ漏れてしまう溢流性尿失禁
④排尿機能は正常にもかかわらず、尿路系には異常がないにも関わらず身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる機能性尿失禁
の4種類があります。
このうち、①はほとんどが女性であり、4割を超える2000万人以上がり患しているといわれています。
②は原因不明なことも多いですが、前立腺肥大症や脳血管障害も原因となることがあります。③は前立腺肥大症の男性に多いです。
以上より、2が正解、3と5が誤りであることが判ります。
4⇒膀胱炎では頻尿、排尿時の不快感・痛みなどが主な症状です。膀胱炎の原因となった細菌が逆行性に腎臓まで入ると腎盂腎炎となり、悪寒・戦慄を伴うことがあります。