介護福祉士の過去問
第25回(平成24年度)
総合問題 問109

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問題

介護福祉士国家試験 第25回(平成24年度) 総合問題 問109 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで問題について答えなさい。
【事例】
Hさん(80歳、男性)は、娘には老後の心配をかけたくないと考えて、2年前に夫婦で軽費老人ホームに入所した。物静かな性格で賑やかな場所は苦手である。身の回りのことは自分でできる。10年前に糖尿病にかかり、毎日、朝食前に自分でインスリン注射をしている。半年前、妻が突然亡くなった。妻がいるころは、妻と一緒に散歩をしたり、妻が食事にも気を配ってくれていたので血糖値は安定していた。妻の死後は自己注射を介護職が見守っている。

【問題】 
Hさんは介護職に、「妻が亡くなった直後は、いろいろと忙しくて寂しいとは思わなかったが、半年たった今ごろになってとても寂しくなり、自然に涙が出たりする」と言った。Hさんに対して介護職が行うグリーフケアとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

グリーフ(grief)とは悲しみのことをいいます。自分にとって大切な人を亡くしたときに経験する深い悲しみに対する支援をグリーフケアといいます。悲しんでいると、精神的、身体的に影響を与えかねません。立ち直り、前向きに生きていただくために必要なケアです。
グリーフケアの基本となることは、傾聴と思いや感情の表出の支援です。亡くなられた方への思いや感情を自分の中で温めず、外に出す方が立ち直りが早いといわれています。
1は思い出話をすることで、Hさんの感情の表出のお手伝いをすることになります。

各選択肢については以下のとおりです。
2・3→「そっとしておく」「そのままにしておく」と、精神面・身体面で状況の悪化も考えられます。適切とはいえません。
4→設問中にHさんは「娘には老後の心配をかけたくない」と書かれています。娘さんの家に行くことはHさんのご意向に沿っているとは考えにくいです。
5→設問中に「物静かな性格で賑やかな場所は苦手である」とあります。カラオケは適切ではありません。

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02

正解は1です。

グリーフケアとは、配偶者や子供、または非常に親しい友人など、愛する人を亡くした人が経験する大きな悲嘆(=グリーフ grief)に対する支援や関わりのことをいいます。

愛する人を失うと、人は深い悲しみを覚えます。それにより心の不調はもとより、睡眠障害や食欲不振などの体の変化、ぼんやりしたり落ち着きがなくなって動き回るといった行動の変化などが起こります。

グリーフケアは、その人が悲しみから立ち直り、事実を受け入れ、環境の変化に適応する手助けを行います。

一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う態度が大切です。受容に至る期間は非常に個人差が大きいので、こちらのペースではなく常に相手のペースで物事を進めていくことも重要なポイントです。

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03

正解は1です。
グリーフケアでは、遺族(ここではHさん)が
故人を思い出していく場面で、思い出を供給する事、他の人とそれを共有する事も重要なケアとなります。なので、思い出話ができる人を呼ぶことは適切です。
ここで大切なのが、本人と相談した上でとりおこなうのという事です。
本人の気持ち・ペースを大切にすべきなので、勝手に介護職が決めて行ってはいけません。

2→本人が介護職に気持ちを話したという事は、決して何もせずほおっておいて欲しいからではありませんね。グリーフケアでは傾聴・共感、向き合う事が大切です。
3→悲しみなど精神的なものも病状や、治療に影響がでると考えられますし、たとえ病状に影響がなくてもそのままにしていいものではないですね。
4→本人の希望・気持ちを確認せずにいきなり娘さんの家への訪問を提案するのは、介護職のペースとなりグリーフケアには適しません。
5→本人が希望したなら別ですが、介護職の考えで何かを押し付けてはいけません。
また、Hさんは賑やかな場所は苦手とありますので適しません。

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