介護福祉士の過去問
第21回(平成20年度)
社会福祉概論 問3

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問題

介護福祉士国家試験 第21回(平成20年度) 社会福祉概論 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

福祉サービスにおける利用者負担に関する次の記述の空欄A, B, Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びない。

社会福祉における利用者負担は、制度の趣旨を逸脱した利用による( A )を防止し、社会資源の有効活用を促すなど様々な目的のために導入されている。今日の利用者負担の主な考え方として、提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担する(  B )があり、この考え方を採用した制度の代表的なものとして( C )がある。
  • A/漏給----------------B/応益負担--------C/児童福祉法の措置
  • A/漏給----------------B/応益負担--------C/生活保護法の措置
  • A/モラルハザード------B/応能負担--------C/生活保護法の措置
  • A/モラルハザード------B/応益負担--------C/介護保険法のサービス利用
  • A/モラルハザード------B/応能負担--------C/介護保険法のサービス利用

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

まず、選択肢のAとBに出てくる各用語について解説します。
漏給:支給されるべき人のところに支給がなされないこと。
モラルハザード:利用者の意識や倫理の欠如がもとになっておこる制度やサービスの低下の状況。
応益負担:提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担すること。
応能負担:利用者の経済的能力に応じてサービス費用の負担が決まり、それを負担すること。

設問文のAが入るところには「制度の趣旨を逸脱した利用」と書いてあるので、モラルハザードが適切です。Bが入るところには「提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担する」とあり、応益負担の説明がかかれています。

介護保険のサービス負担は、支給限度額内でサービスを受けたものに対し1割と決まっています。

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02

「モラルハザード」とは、手段や仕組みが整備されることで、かえって人の注意が散漫になり、事故等の確率が高まり、規律が失われることを言います。
社会福祉では、利用者負担によってこれを防止しているとされています。

「応益負担」とは、所得に関係なく一定の金額を負担することを言います。サービス利用料の一割負担は、これにあたります。

これらの考え方を採用した制度の代表的なものとして、介護保険法のサービス利用があります。

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03

正解は「4」です。

選択肢Aは、「制度の趣旨を逸脱した利用による○○」ということなので、「モラルハザード」が適当です。モラルハザードとは訪問介護を家政婦替わりにするなど、自立支援の目的から外れた利用によって、制度の根幹が揺らいでしまうという状況のことです。
漏給とは、支給されるべき人のところに支給がなされないことで、年金の支払い漏れなどのことをいいます。

選択肢Bは、「提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担する○○」という文言から、「応益負担」が正解です。
応益負担とは、提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担することで、利用者の所得に関わらず、費用を負担します。
一方、利用者の経済的能力に応じてサービス費用の負担が決まることを「応能負担」といいます。

介護保険のサービス負担は、介護度によって金額が決まる「応益負担」が原則です。ただし、収入に応じて減免や還付などの制度があります。

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